日本騒音制御工学会環境振動評価分科会では、工場・事業場、 建設作業、道路交通、及び鉄道から発生する振動により苦情が発生し、かつ振 動規制法による対応では苦情の解消が困難な場合に、問題解決に向けた振動対 策に資する技術資料を作成することを目的として振動測定マニュアルを作成 した。その中には、1 家屋内部で苦情者が暴露されている振動、2 家屋によ る振動の増幅特性、3 地盤振動の伝搬特性、(4) 評価指標に関する将来的な改
善に備えるための詳細データの蓄積における振動測定及び評価方法について
記述している。また、詳細な測定事例を示し、普及活動を行っている。
筆者らは、ピックアップ設置共振の影響を低減し、安定した地 盤振動測定結果を得るための方法を検討した。 日本騒音制御工学会研究部会環 境振動評価分科会が提案する「振動測定マニュアル」に例示されているピック アップ支持具ほかを参考に、地中埋設物の影響を受けにくい1本杭タイプの支 持具を直置きの場合などと比較し、その有用性を確認した。また、軟弱な地表 面での測定時に、支持強度で地表面の硬さの度合いを数値化する方法によって、 「望ましい踏み固めの程度」の情報が得られる可能性のあることも確認した。
指定最高速度が 50km/h 以上の幹線道路の騒音振動については、 測定事例が多く、予測計算にかかる知見も確立しているが、40km/h 以下の道路 の実情は明白でない。知見が確立すれば、生活道路の騒音振動対策のみならず、 幹線道路において規制速度を 40km/h 以下に抑制する騒音振動対策に応用でき る。本稿では、国内の 10 箇所での測定値、および測定値の近似式を示す。測 定値については、24時間の時間変化の他、各自動車からの騒音の発生量が幹線 道路よりも小さいこと等を示す。騒音の近似式については、幹線道路の計算式 による計算値から3dB減じる方法等を示し、振動の近似式については、測定値 に基づいて係数を設定した計算式等を示す。
日本建築学会の環境振動運営委員会傘下の環境振動測定分析小委 員会では、今まで建築物内での歩行等による床振動の計測や列車走行時や自動 車走行時などの交通振動の木造住宅内における振動調査を行い、日本建築学会 等で報告している~!!。今回は木造住宅を対象とした自動車走行振動と鉄道振 動(高架化前後)による屋外及び屋内の振動を同時に測定した事例を示すと共 に、鉄道振動の高架化前後における振動の変化、加振源の違いによる家屋増幅 量や分析時定数による違いなどを検討した。結果、「交通による水平振動は 1F よりも 2F の方が大きい傾向」、「鉄道の高架化は振動低減効果もある」、「交通 振動などの家屋増幅量は近傍の点加振では予測は難しい」など幾つかの知見が 得られたのでそれらについて報告する。
建築学会環境振動測定分析小委員会では、建築物の振動測定について種々の 検討を行い、その結果を報告してきた。実際に、建築物の振動測定・分析に 関しては、その方法が明確に規定されていない部分も多く、現場の実務者か らはある程度統一した測定方法が求められている。このことを受けて、小委 員会では、振動測定に携わっている技術者を対象に、振動測定・分析・評価 の現状と課題等に関するアンケート調査を実施した。本稿では、測定位置、 測定周波数範囲、分析手法及び評価手法を中心に、調査結果を整理して報告 する。
建築内部で交通振動による振動障害が発生した場合、「建築物の居住性能評 価指針・同解説」に記載されている「鉛直振動に関する性能評価曲線」と「交 通による水平振動に関する性能評価曲線」が用いられて評価されることが多い。 この評価方法は知覚確率をもとに定められたものであり、1/3 オクターブバン ド毎の加速度ピーク値から評価する方法が用いられているため、不快感等の振 動感覚に影響を及ぼすと考えられる継続時間等の影響はこの評価方法に含ま れていない。そこで、本報では、継続時間等の時間特性が振動感覚に及ぼす影 響の検討を行った。その結果、本報の検討範囲では、知覚度合においては加速 度最大値を用いる Limask 10mgが最も対応が良いが、不快度合においては振動知覚 時間に着目した時間補正項 20log(Th)を適用する方が感覚量との対応が高ま ることを示した。
鉄道車両が走行すると、音源から発生した音は、沿線状況に応じて様々な伝搬経路を経て沿線の受音点に到達する。音の伝搬過程における反射、遮蔽、回折等によって、受音点での騒音の大きさや周波数特性は変化し、鉄道構造物を跨ぐ道路橋等の線路上空構造物、すなわち跨線橋がある場合も、沿線騒音は跨線橋がない場合とは異なる分布となる。ここでは、沿線騒音への跨線橋の影響量を音響模型実験の結果によって評価し、その測定結果を再現する沿線騒音予測手法を提案する。また、現車試験結果との比較により騒音予測手法の妥当性を確認する。これらの結果から、跨線橋周辺における沿線騒音の特徴について述べる。
鉄道車両の台車で発生した振動が車内床面の振動に至るまでの 伝搬経路について、加振試験データに対して、伝達経路解析を適用し伝搬経路 別寄与度を求めた。 床面の位置によって寄与度が異なることや周波数ごとに寄 与の高い部位が異なることが確認された。また、床面近傍の伝搬経路からの寄 与が必ずしも大きくならない結果が得られた。これは、入力間の相関が高い場 合、導出される伝達関数の精度が低下するためと考えられる。しかし、低周波 域では台車が剛体振動するため、入力間の相関が高くなる組み合わせがあるが、 高周波域では低くなる。そのため、固体伝搬音のような高周波域では、伝達経 路解析による伝搬経路別寄与度を算出できる可能性がある。
本稿では、駅のホーム等の一般の人が日常的に鉄道騒音に曝露されている環境における高周波音の実態を明らかにするために、8 駅のホームを対象として音響計測を行ない、鉄道から発生する高周波音の観測を試みた。その結果、対象とした8 駅のうち5 駅のホーム上において16 kHz を超える高い周波数成分が60 dB(SPL)以上のレベルで含まれていること等が分かった。
住宅地域の屋外音環境を評価するには、道路交通騒音や航空機 騒音など音響的にネガティブな音源ばかりでなく、季節による自然の移ろいの 中での小鳥の鳴き声や虫の音の変化、降雨や風の音、人々の生活音なども含め た総合的な判断が必要であろう。そのためには長期間の音環境のモニタリング が不可欠であるが、計測された大量のデータをどう処理するかが大きな課題と なる。膨大なデータから音源を自動的に識別する技術は、どのような音源がそ の音環境の良し悪しを決定づけているかを知るうえで重要である。本報告では、 従来から航空機騒音の音源識別で用いてきた線形判別分析に加えて、昨今脚光 を浴びているディープニューラルネットワークを用いて、実際に収録した環境 音を対象とした基礎的な音源識別の検討結果を示す。
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A new terminal building in Hanoi Noi Bai International Airport has been opened since December 2014. This operation provided such a great opportunity to study more about community response to a step change in aircraft noise exposure. Three social surveys were conducted around the airport in September 2014、March 2015 and September 2015、resulting in some considerable outcomes. Albeit the number of flights increased about 21-24% after the opening of the new terminal、aircraft noise exposure (Lden) stayed during the two first surveys (44、45 – 66 dB) but increased in the last survey (49 – 69 dB). On the other hand、noise level at particular sites varied considerably among surveys. Exposure – response curves of three surveys were drawn by using logistic regression to visualize the differences. The curve for the second survey fits on the first survey’s curve with approximately 5% higher while the last survey’s curve is remarkably steeper than the others. Another worth mentioned factor that might cause these outcomes was the re-operation of the runways which has been closed for maintenance since August to December 2014
雑音駆動型音声分析合成系における感情音声の認識と振幅包絡線情報の関係について検討した。5つの感情(平静、喜び、悲しみ、抑えた怒り、荒げた怒り)をもつ日本語感情音声から作成した2種類(周波数領域数が16と8)の雑音駆動音声に関して感情認識実験を行った。その結果、雑音駆動音声の感情を認識できることがわかったが、領域分割数を16から8に減らすとその認識率が約10%減少することもわかった。また、認識率が感情によって差があることもわかった。さらに、 実験結果と振幅包絡線の特徴の関係について調査した。その結果、各感情に対する変調スペクトル重心の分布の重複度合いとその感情認識の難易性に相関があることがわかった。
Relationship between emotion perception and temporal envelope features of noise-vocoded speech was investigatedin this paper. Inthe emotion recognition experiment、Japanese emotional speech database with five kinds of emotion (neutral、joy、cold anger、sadness、and hot anger)were used to synthesized noise-vocoded speechin whichfrequency divisions of 16 and 8 regions were used inthe noise vocoder.As results、it was confirmed that the emotion recognition rate reduced about 10 % as the division number was decreased from 16 to 8 although participants could identify the emotion of noise-vocoded speech. Moreover、it wasalso foundthat emotion recognition rates of noise-vocoded speech were depended on emotion. Furthermore、by comparingthese recognition results with the feature distributions of modulation spectral centroidof emotional speech、it was suggestedthat modulationspectral centroid may be able tobe used toaccount foremotion perception of noise-vocoded speech.
音色は、音源の周波数特性と密接に関係している。一方で、頭部伝達関数の周波数スペクトルは、正中面の音像定位を行う際の重要な手がかりである。人間が耳から受け取る入力は、その両者の周波数特性が混ざり合っているにも関わらず、なぜ音色と方向を切り分けて知覚できるのだろうか。そこで本研究では、聴取者が音像定位の手がかりとして考えられているスペクトルノッチの変化を音色変化としてどのように検知、弁別しているのかを調べた。その結果、頭部伝達関数の7kHz付近に観測される、N1と呼ばれるノッチを、音色の変化として検知可能であることが示唆された。
Thetimbreofsoundsiscloselyrelatedtotheirfrequencyspectrum.Meanwhile、thespectralshapeofthehead-relatedtransferfunctionplaysanimportantroleinsoundlocalization、particularlyinthemedianplane.Interestingly、humanscanseparatelyperceiveboth、thetimbreandpositionofsoundsourcesdespitethembeingmixedinthespectrumofthesoundsignalsreachingthelistener’sears.Thisstudyseekstoclarifytheprocessbywhichhumansseparatethesetwotypesofinformation.Tothisend、weanalyzehowpeopleperceivechangesinthebandwidthofaspectralnotchaschangesintimbre.ResultsimplythatlistenerscandetectoneofthespectralnotchesintheHRTF、knownasN1andcommonlycenteredaround7kHz、bythechangesitcausesontheperceivedtimbre.
頭部伝達関数(HRFT)を用いたバイノーラル再生において、聴取者本人のHRT Fが使用できない場合にデータベースから類似するHRTFを選出して代用することが検討されている。HRT Fの個人性は主にピーク、ノッチであると言われており、耳介形状からピーク、ノッチ周波数を推定して選出する方法がある。推定に使用する変数は耳介の縦幅、横幅の他に耳介の深さか突出長、対珠または対輪の高さが提案されている。本稿では耳介の深さ、突出長、対輪の高さという耳介の高さの変数の違いがHRT Fに与える影響をシミュレーションで比較した。耳介の縦幅や横幅が一定の場合、対輪の高さを一定に保つことでピーク、ノッチ周波数が大きく変化しないことから、推定の際には対輪の高さが有効な変数であることが分かった。
On the binaural reproduction using head-related transfer function(HRTF)、the use of a listener's own HRTF is not always available. In this case、other similar HRTF selected from database is often used. Because the individuality of HRTF is related to peaks and notches、there is a selection method using estimated frequencies of peak and notches of HRTF. Parameters for estimation are depth of pinna、prominent length and height of antihelix or antitragus besides length and breadth of pinna. This study compared differences of HRTF between depth of pinna、prominent length and height of antihelix by simulation. The results showed that height of antihelix is an effective parameters because there was almost no change in frequencies of peaks and notches as far as the height of antihelix constant was the same.
本稿では、呈示刺激の種類や呈示方法によって耳音響放射の音響特徴が変化するかを検討した。実験では、短音の音圧レベル、周波数、呈示パターンを変えて片耳呈示した際に発生する耳音響放射を音響分析し、非線形成分の特徴の変化を観察した。その結果、耳音響放射音のレベルや周波数成分が、呈示刺激の音圧レベルと周波数に依存して変化することがわかった。一方で、耳音響放射音の音響特徴は、呈示パターンに依存せず、変化しないこともわかった。
Toinvestigatewhetheracousticalfeaturesoftonebursts(TBs)andpresentedpatternsofTBssequenceaffecthowacousticalfeaturesofotoacousticemissions(OAEs)inresponsetotheTBs、OAEsweremeasuredfromrightearinresponsetoTBswithvarioussoundpressurelevelsandfrequenciespresentedinvariouspatternsofsoundsequence.AcousticalfeaturesoftheOAEswereanalyzedbyspectralanalysistechniques.TheresultsshowedthatarelativelevelandafrequencyoftheOAEweresystematicallyvariedwiththesoundpressurelevelandfrequencyofTBs.Contrarytoexpectation、theacousticalfeaturesoftheOAEswerenotvariedwiththepresentedpatternofsoundsequencesofTBs.
高齢者の聴力と発話の相互作用を検討するために、62歳~85歳の男性高齢者12名による高齢者聴力・音声データベースの構築を行った。本データベースは、純音聴力閾値と、 音韻バランス単語と文章の読み上げ音声から構成される。音声データに関しては、単語と文章のそれぞれに対して、声質評価語による収録音声の主観評価と知覚年齢の付与を行った。因子分析の結果、 高齢者音声は、「時間因子」、「不明瞭因子」、「雑音因子」の3因子で説明出来ることが分かった。また、知覚年齢と「しゃがれ声」が強く関連しており、高齢難聴者と健聴高齢者の比較では、難聴者音声は不明瞭因子の寄与が大きいことが分かった。
An elderly auditory and speech database has been developed for the purpose of investigating the interaction between hearing and speaking.12 Japanese male elderly people、whose ages range from 62 to 85 years old、joined into the pure tone audiometry and readphonetically-balanced words and sentences.The speech data were characterizedby subjective evaluation、and perceptual age was given to each speaker. As a result of factor analysis、elderly speech can be characterized by temporal factor、obscure factor、and noise factor.The perceptual age relates to the degree of hoarseness.Concerning the speaker with presbyacusis、the obscure factor is dominant than other factors.
対話型差分進化(IDE)を耳鳴音探索のアルゴリズムとして適用し、標準耳鳴検査法1993および対話型遺伝的アルゴリズム(IGA)との比較からその有用性について検討した。若年健聴者12名を対象に信頼性、再現性について検討した結果 、IDEは標準耳鳴検査法1993と同様に高い信頼性があり、再現性を有することが確認された。耳鳴のない高齢者7名を対象に疲労度、難易度について検討し、各手法間に差がないことが示された。実際に耳鳴を有する高齢者5名を対象に各手法の比較を行ったところ、IGA、IDEにおいて標準耳鳴検査法1993よりも高い耳鳴音と検査音の類似度 を示し、耳鳴を正しく捉えられていると推測された例があった。一方で評価の曖昧さから正確に耳鳴を捉えきれていないと示唆される例もあった。
The usefulness of the Interactive Differential Evolution (IDE) method was compared with the Standardized Tinnitus Test 1993 and the Interactive Genetic Algorithm (IGA) method. The IDE showed higher reliability and reproducibility than the other methods for 12 young people with normal hearing. Second、seven elderly people without tinnitus were examined about a fatigue and usability of the methods. No difference was observed among methods. For five elderly people with tinnitus、some results of the IGA and the IDE showed a higher resemblance than the Standardized Tinnitus Test 1993、while some results showed difficulty to obtain the exact tinnitus because of vague evaluation of their own tinnitus sou
空間を伝播する可聴帯域に限る音響信号によってディジタル情報を伝送する技術として、音響情報秘匿技術と 音響モデム技術、またそれらを合わせたハイブリッド技術を、空間伝搬音響情報伝送 (aerial acoustic data transmission) 技術として概観する。これまで、空間伝搬に用いる情報秘匿や符号化の手法の開発は行われてきたが、空間伝搬を前提 とした技術の評価はあまり厳密に行われてきていなかった。それらの技術を言語あるいは音声バリアフリー利用する事 例を挙げ、その際の技術の評価方法について検討する。
Previoustechnologiesforaerialacousticdatatransmission、whichareknownasanaudiodatahiding、anacousticmodem、andahybridofbothtechnologies、arereviewed.Previousresearchesmainlydevelopedmethodsofembeddingandencodinginformationintoaerialsounds.However、fewworkshavebeendedicatedtoevaluatethetechnologywithvariousdisturbancesofaerialtransmission.Speech-andLanguage-Barrier-freeusesofthetechnologyandevaluationmethodsofthetechnologyarediscussed.
音と映像の調和感の連続測定実験により、音と映像のアクセントの周期性および同期の頻度が調和感に及ぼすことを明らかにした。音、映像ともにアクセントが周期的に発生しそれらが高頻度で同期する場合に調和感が最も高く、音と映像のアクセントがランダムに発生しそれらが同期しない場合において調和度感が最も低い。音と映像のアクセントが同期しない場合でも、音あるいは映像のアクセントが周期的であれば不調和感は緩和できる。音と映像の調和感における文脈効果の検討により、調和感の対比効果が示された。また、音と映像のアクセントが周期的で同期したのちに一方の周期性が崩れ同期しなくなった場合には、非同期になった後もしばらくは調和感を保つ。
Continuous rating experiments on the congruence between moving picture and sound showed that the synchronization between auditory and visual accents creates audiovisual congruence. Furthermore、the periodicity of auditory and visual accents contribute to creating congruence. When the accents were periodic and synchronized frequently、the level of congruence was the highest. In contrast、when the auditory and visual accents were randomly generated and were not synchronized、the level of congruence was the lowest.Contrast effect was observed in the context of level change of audiovisual congruence. In addition、when the asynchronized audiovisual accents stream was presented after the synchronized stream、the level of high congruence was kept for a short period.
中国人 を対象として、評定尺度による音の大きさ評価実験を行い、同一の音に対して、女性は男性よりもより「大きい」と評価する傾向があることを示した。調整法を用いた「小さい」「大きい」と感じる音圧レベルの測定実験においても、同様の結果を得た。さらに、マグニチュード推定法、マグニチュード産出法による実験を行うによって、同一の音圧レベルの変化に対して、女性の方が音の大きさの変化量が大きい傾向にあることも示した。音の大きさを「小さい」「大きい」など言語を用いて表現する場合の基準に男女差が存在することは日本人と同様であるが、中国人においてはさらに大きさの変化量についても男女差が存在することが示された。
A rating experiment on the verbal interval scale showed that male Chinese participants tended to rate the same sounds as less loud than did the female Chinese participants. An experiment with the method of adjustment measured the limits of sound pressure level perceived assoft or as loud、and replicated the gender effect:females selected lower levels than did males to represent both soft and loud sound categories.Rating experiments using the methods of magnitude estimation and magnitude production showed that the female participants perceived greater loudness difference than the male for the same difference of sound pressure level.
中国における警笛の音環境への影響を把握するために、在日中国人留学生を対象に、中国と日本の自宅及び屋外で聞こえる音源についてアンケート調査を行ったところ、多くの参加者が中国の自宅や屋外で警笛を聞き、かつ悩まされている状況が把握された。この結果を受けて、中国の都市部における警笛の使用状況とその影響について検討するため、ハルビン市においてアンケート調査を実施した。結果として、ドライバーに対してだけでなく、歩行者に対する注意喚起や危険報知を目的とした警笛の使用が多数見られた。また、警笛を鳴らされた場合のネガティブな心理的反応はドライバーよりも歩行者で顕著であった。
t: To grasp the effects of horn sounds on acoustic environment in China、we conducted a questionnaire survey on sounds that the Chinese students studying in Japan heard at their homes and outdoors in each country of China and Japan. Furthermore、another questionnaire survey was carried out to investigate the current circumstances of vehicle horn use in Harbin、China. As a result of the former survey、there were more respondents who were annoyed with horn sounds in China than respondents who were in similar situations in Japan. Results of another questionnaire survey revealed that vehicle horn use more frequently aroused negative psychological reactions in pedestrians than in dri
非母語話者による促音生成における時間制御特性の理解を目指し、本報告では日本語上達度に基づいた分析を行った。テンポ正規化時間長比を用い、初級・中級・上級学習者と母語話者との比較から制御特性を分析した。その結果、上達度の向上に従い、学習者の促音時間制御特性が母語話者に近づく傾向が全体的に有意に見られた。さらに、母語話者の制御傾向と一致しなかった単語に対する分析により、学習者が促音を一つの音節単位として制御し、促音部とともに最終音節の母音を 伸長する傾向が判明した。拍タイミングによる制御を身につけるため、キャリア文を用いた発話学習の有用性を考えた。この結 果は促音単語における上達度が異なる学習者によるタイミング制御特性を示しており、モーラタイミング習得難易度の科学的理解、それに基づく日本語学習者に対する促音生成時間制御特性の教育への反映が考えられる。
Aiming at better understanding on characteristics of geminate timing control by non-native speakers、we analyzed their timing characteristics based on learners’ Japanese proficiency levels. The analysis on tempo-normalized geminate consonant differences between natives and learners has shown that the learners’ timing characteristics are approaching to the natives’ ones with the increasing of Japanese proficiency. However、a few words did not follow this tendency. Analysis to these words has shown the learners’ geminate control characteristics of using syllable timing not mora timing、which result in the final vowel lengthening in the words with geminate consonant at the last syllable. For acquiring the mora timing control、methods of using carrier sentence suggest useful. These results show the Japanese timing control characteristics of learners with different proficiency、which also indicates the effectiveness of learning methods based on the understanding of learners’ geminate timing control characteristics.
インフラサウンドを用いた雪崩発生監視システムの構築を目指し、新潟県十日町市において、雪崩が励起するシグナルの観測と解析を実施してきた。まず、2013年1月から4月の期間、雪崩現象が励起するインフラサウンド・シグナルの特徴把握を目的に、1地点にて観測を行った。次いで2014年1月から4月には、2地点にて観測を行い、主に距離減衰特性の把握を試みた。それら観測にて雪崩が発するインフラサウンドの特徴を概ね把握し得たことから、2014年11月から2015年4月の期間、口径1km程度を有する3点のアレイ観測を実施し、シグナルの相互相関をもとに雪崩発生箇所の推定を試みた。その結果、発生箇所を推定し得たと判断できる事例を12例得た
床振動測定における評価点は、一般に部屋の中心が選ばれるケースが多い。1次モードの振動については、部屋の中心辺りが振動の腹となり、測定値が大きくなることが予想される。しかし、2次モードについては、振動の節となり、測定の評価点として部屋の中心辺りが適切でない場合もある。最大値となる場所を評価しようとすると、帯域毎に測定点の位置を変更する必要がある。このためには、多数点で測定することとなるが、労力と時間が必要である。そこで、どの帯域においても概ね大きい値が得られる測定位置の選定方法を検討する。既報[1]の住宅における検討に引き続き、本報では複合構造の講義棟の実測値とFEM解析からの検討を行う。
VSの小さい表層地盤においては、平面道路の舗装構造や、路面の局部段差と地盤測線との位置関係により、道路近傍地盤の応答が複雑に変化する。本報では、軟弱地盤における道路舗装の有無や路床の剛性・深さ、および路面の局部段差が道路近傍地盤の3方向応答に及ぼす影響について、地表・地中の距離減衰性状をシミュレーション解析により考察した。また、表層地盤の厚さの違いが地盤応答性状に及ぼす影響に関する検討も行った。軟弱地盤上の平面道路交通による近傍地盤の応答低減には、路床を深く改良することが有効であることが分かった。また、平面道路での車両走行時の地盤応答性状における表層地盤の厚さの影響は、地震時とは異なることが分かった
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The comfort acoustical environment of a workplace is typically given very little attention or always overlooked during buildings project planning and design. The functionality and aesthetics of the workspace are usually the primary focus of the designer. Providing a comfortable environment for office occupants contributes significantly to their optimum performance and eliminates symptoms associated to sick building syndrome. In modern green office concepts、workplace comfort is really a combination of factors that includes day lighting and electric lighting、indoor environmental quality、temperature、humidity level and acoustics. The assault on ears in the workplace can come from traffic noise outside、mechanical equipment in adjacent spaces、air conditioning system、copiers、phones、and voices within the workplace. However this article only discusses issues relating to acoustic comfort control strategies in Air Conditioning and Mechanical Ventilation System (ACMV) that are usually encountered in buildings. Some success rectification works in ACMV system noise and vibration problems are presented as a case study.
風力発電施設から発生する騒音の音響放射特性を検討するため、機種の異なる2つの施設を対象に、その周辺の多点で騒音の同時測定を長期間にわたり実施した。本研究では、風車騒音の主要な周波帯域における音圧レベルの放射パターンのモデル化を試みると共に、風車特有の周期性の変動音に着目したロー転速度の推定および実際のそれとの比較を行った。その結果、風車騒音の音響特性(パワーレベル、狭帯域成分、指向特性)を把握するには、測定時におけるロータ回転速度などの稼働データが重要であり、またそれを測定した音響データからある程度の精度で推定することが可能であることなどがわかった
筆者らはこれまでインクジェットプリンタの動作音に対して一対比較法で得られる尺度化された印象(気になる/気にならない)とLaerにシャープネスと変動強度を加味した指標との対応関係が比較的良好なことを報告している。今回、Laeaの差か大きい動作音を加えて、改めて検証を行ったところ、シャープネスと変動強度を加味するよりもむしろLAesのみとの対応関係が良くなる傾向が認められた。この実験結果を詳細に検討したところ、試験音の組み合わせにより被験者の意識が変化する可能性が示唆された。
前稿では音波や電波の人体への影響について物理的、巨視的な視点から考察を行い、比較検討した。本稿では特に感覚器(耳及び目)への影響を中心に音や光の感覚閾値と、それに基づくレベル表示に注目し、聴覚及び視覚の対応関係について考察する
航空機内において実際にどの程度の騒音・低周波音に暴露されるかわかるデータは少ない。本稿では、広帯域音圧計を機内に持ち込み、座席数が74~126席の比較的小さい旅客機7機を対象に、離陸から着陸までの連続した航空機内の騒音・低周波音を録音・分析した。その結果、離陸時の騒音はLassmaxで85~91dB、低周波音はLasmaxで109~118dB、上空飛行時の騒音はLacqで74~87dB、低周波音はLamで84~91dB、着陸時の騒音はLA.simaxで78~95dB、低周波音はLasmaxで106~117JBが観測された。いくつかの騒音の評価法にあてはめたところ、騒々しい値であるが、聴覚に影響を及ぼす程度の音圧レベルではないことが分かった。
著者らは、既報[若松ほか、日本音響学会騒音振動研究会資料 N2014-48、2014年 11月]において、ハイパースペクトル航空写真撮影によって得られた分光反射率画像から、重回帰分析を用いて直接的に中心周波数 160Hz、、...__、3150Hzにおける 1/3オクターブバンドごとの地表面吸音率を推定する手法を提案した。本報では、既報において不備であった分光反射率標本のミクセル化の解消、およびグラウンドトゥルースのモデル化用および検証用標本の分離を行い、推定手法の再構築および検証を試みた。さらに、航空写真と同時期に取得したレーザー標高計測データを用い、当該吸音率の数値表層モデルヘのマッピングを試みた。
東京都の江東区にある多くの運河には小型船舶が数多く航行している.船舶の一部には非常に大きな航行音を発するものもあり、運河沿いの住宅で騒音となっている。音に対する人の主観的な評価は視覚によって得た情報によって影響されるので、視覚と聴覚を考慮して評価することが重要である.ここでは通過する船舶を提示刺激として、騒音評価実験を行った結果、映像の有無が要因となって、心理量の変化が確認できた.
内陸に位置する成田国際空港は、空港周辺に対する騒音影響を軽減するための様々な騒音対策や運航規制を実施しながら、我が国における空の玄関として、また東アジアにおけるハブ空港としての重要な役割を果たし、航空需要の増大に応じて空港発着容量を拡大してきた。このような状況のもと、アジア近隣諸国の空港との競争力を高め、利用者の利便性の向上を図るために、2013年3月31日に夜間飛行制限の弾力的運用を開始した。本稿では成田国際空港における騒音対策及び運航規制の概要について述べるとともに、夜間飛行制限(カーフュー)の弾力的運用に際し、国、千葉県、関係市町および成田国際空港株式会社(NAA)で構成される四者協議会の場で約束し、実施した航空機騒音健康影響調査の概要について報告する。
千葉県、空港周辺9市町および成田国際空港株式会社(NAA)の間で交わされた合意に基づき、学識経験者等で構成する第三者評価委員会(委員長安岡正人)の指導と監督の下、成田空港周辺住民を対象とした自記式質問紙を用いた健康影響調査を実施した。質問紙への回答結果をもとにアノイアンス、生活妨害、眠影響及び精神的・身体的影響と航空機騒音の曝露量との関連を統計的手法で分析した。その結果、騒音曝露量と(1)アノイアンス・生活妨害・睡眠影響との関連は認められ、(2)精神的影響の一部にも関連を示唆する結果が見られたが、(3)身体的影響との因果関係はなかった。
本稿では、航空機騒音の自動監視のあり方について経験を元に回顧するとともに、成田、大阪、福岡の3基幹空港を対象に空港周辺における騒音暴露と居住の状況の変化を解析した結果を紹介し、空港周辺の環境保全と土地利用の規制を進めてきた国の環境施策の有効性を考察する。わが国では、航空機騒音対策は騒音の発生から伝搬、受音に至る全側面をカバーすべく構築された法的枠組みの下に進められ、その結果、空港周辺の航空機騒音の状況は大いに改善された。しかし、幾つかの空港では今も航空機騒音が音環境を支配する地域が残る一方、騒音低減が新たな居住、危険への接近を招く結果となることも懸念される。そこで、土地利用の計画的規制が行われている成田空港と行われていない大阪空港、福岡空港を対象に、空港周辺の騒音対策区域の騒音暴露と居住人口の推移を調べたところ、大阪・福岡に比べて成田は居住人口の増加が緩やかであり、土地利用規制の有効性が示唆された。今後、空港周辺の土地利用を一層騒音と両立するものへ計画的に誘導していくことが不可欠であり、その基礎資料として騒音暴露の実態を把握する騒音監視を時代にあった形で継続していくことが必要である。
欧州では、2002年の環境騒音指令に基づき、交通騒音の影響評価と対策のために広域の騒音マップが作成されている。しかし、健康影響という視点での評価・対策はもちろん、広域における騒音マップ作成例もほとんど見当たらないのが現状である。本研究では、札幌市全域の道路交通騒音を対象に騒音マップを作成し、虚血性心疾患のリスク、睡眠妨害人口などを算定し、騒音による健康影響を評価した。また、騒音による生涯死亡リスクの分布を示すリスクマップの作成を試みた。その結果、札幌市内において、毎年約20人が騒音による虚血性心疾患で死亡し、その生涯死亡リスクは、主要道路に面した地域で10-3以上を示すことが明らかになった。
近年、風力発電施設やヒートポンプ室外機からの低周波音による健康影響の訴えが増加しており、徐々にその重大性が理解されつつある。本研究では、低周波音に関する既報の実験結果に基づき、「気になる」、「圧迫感、振動感を感じる」という被験者の反応に注目し、ロジスティック回帰分析により1/3オクターブバンドごとの量反応関係を求めた。このうち、「圧迫感、振動感」は低周波音に特異的な感覚であり、蝸牛ではなく前庭器官で知覚されていると考えられており、目眩やふらつき、吐き気、入眠障害につながる。解析で得られた等反応率曲線から「圧迫感・振動感」評価のための周波数重み付け特性を導出し、新たな低周波音評価指標を量反応関係とともに提案した。
著者は、平面上に片開放の音響管の底を並べ、管配列全体の形状を山型とした減音装置を考案し、遮音壁の上部に設置して山型遮音壁とした。その遮音壁の頂部近傍に平坦な音響的ソフトな面が生じ、大きな回折減衰の効果を得ることが出来ることを見出した。本報告では、山型遮音壁の有効性への管配列の横幅、断面形状の対称性及び遮音壁側面の吸音性の影響を検討した結果を示す。
本検討は道路交通振動を対象として、苦情が発生しているものの官民境界での振動は要請限度を下回る地点において家屋内の振動を測定した事例を報告する。また、動的相互作用を考慮した3次元FEM時刻歴走行応答解析プログラムを用いて地盤や家屋内振動を予測した事例を報告する。
日本騒音制御工学会の道路交通振動の予測式INCE/JRTV-Model2003は、現在平面道路の予測が可能である。同学会の予測式作成分科会では、適用範囲を高架道路に拡張するための検討を行っている。この予測式は、振動加速度レベル変動波形(ユニットパターン)の予測がベースとなっている。高架道路についても同じような方針で、適用範囲を拡張することを目指している。本報では、橋脚基部のユニットパターンを予測するための基礎的な検討を行う。平面道路同様、幾何減衰による予測を基本とする。高架橋の振動については、共振の影響を考える必要がある。この共振現象が、減衰振動としてもとらえることができる。減衰振動については、音場で言う残響成分の考え方を流用することも考えられる。本報では、このような減衰振動成分の考慮方法を中心に検討を行う。
音サインを定める際の原則として、音のもたらす印象やはっきりと聞き取れるかという明瞭性が考慮されるべきである。いくつかの音が連続的に鳴動する音サインは、そのスピードによって印象が異なる。また、速さ自体がコードとして使用されることもある。鳴動の遅速の判断の分かれ目はどこなのかということは、サインとしての「明瞭性」に関わる。これは音楽的な意味での遅速とも関係するが、音サインの機能的な側面としての検討は十分とは言えない。ここでは、エスカレータの乗り口などを想定した音サインのコードとしてのテンポの「速い」と「遅い」がどの程度の値であるのかを確かめた。単純なメロディの試験音を作成し、心理評価実験を実施した。その結果、平均的には126.3(bpm)以下の速さで遅いと感じ、208.6(bpm)以上の速さで速いと感じることが示された。
本騒音制御工学会、環境振動評価分科会が平成 26年策定した振動測定マニュアルに基づき、苦情の対象となる振動が稀にしか発生しない場合を想定し、約 1ヶ月に渡る家屋内での道路交通振動測定を行った。このような長期間の測定に対応できる大容量のメモリカードが使用可能なデータレコーダ使用し、測定データを振動測定マニュアルに見づいて処理、分析した事例を紹介する。測定は平成 26年に 1回目を実施したが、この測定を行った当時は、道路に亀裂や窪みが複数あった。その後、舗装工事により修繕されたため、これによる道路交通振動の変化を確認する目的で再度、平成 27年に2回目の測定を実施した。この取得した舗装修繕工事前後の測定結果を振動測定マニュアルにより評価し、その両者の結果を比較検討したので報告する
建物内部で鉛直振動の振動障害が発生した場合、「建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説」に示されている「鉛直振動に関する居住性能評価曲線」を用いて評価することが多い。この評価曲線は評価対象範囲を 3~30Hz までとしているが、JIS C 1510:1995 や ISO2631-2:2003 などでは 30~80Hz も体感振動の評価対象としている。そこで、本報では実建物の床においてゴムボール衝撃による発生振動や屋外から伝搬する鉄道、道路等による交通振動の実波を対象として鉛直振動に対する 30Hz 以降(25~80Hz 帯域)の振動感覚周波数特性の検討を行った。その結果、30Hz 以降の周波数領域も評価対象とすることで知覚度合との対応が高まることが示唆された。
日本建築学会環境振動運営委員会傘下の環境振動測定分析小委員会では、測定・分析方法に関して、実測調査や環境振動測定経験者へのアンケート調査などを実施してきている。アンケート調査結果によると、測定について悩んだ項目の結果では、「測定位置・点数」が最も多く、次いで「測定機器の設置方法」、「測定回数・測定時間」が多い。そこで、環境振動測定分析小委員会では、これらの課題に対する試みの一つとして、仮想の環境振動測定事例を例題としたアンケートを作成し、環境振動測定経験者に対して調査を実施した。その結果、本報の範囲では、受振点については、部屋の中央点、大梁と小梁で囲まれた範囲の中央点を選択することが多かった
1964 年に開通した東海道新幹線は輸送力を大幅に増大させ、県民の利便性向上に大いに貢献してきた。その反面、通過車両から発生する騒音、振動及び低周波音は現在でも問題となっている。これらの問題に対処するため、環境庁(当時)は、1975 年に「新幹線鉄道騒音に係る環境基準について」を告示し、続いて 1976 年には「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について」を運輸大臣に勧告した。神奈川県は、1969 年度から、東海道新幹線鉄道の騒音・振動調査を実施してきた。これらの調査とは別に、筆者らの一部は、新幹線沿線の住宅地において、社会調査及び騒音・振動測定調査を行ってきた。本稿では、これらの調査結果を整理して、神奈川県内における東海道新幹線鉄道に係る騒音・振動の現状を報告する。
研究では新幹線鉄道騒音と振動による生活活動への相乗効果を実験的に検証した結果について示す。参加者は健常な聴力を持つ 10名の女性と10名の男性 (18-22歳)であった。音と振動刺激は実測データを基に作成し、騒音刺激として最大騒音レベル 50、60及び 70dBの3種類を、振動刺激は縦振動の3種類(なし、65dB、75dB ½inax)) を用意した。参加者は読書と思考(計算)作業に従事しながら、30秒間の刺激に曝露され、それを逐次評価することとした。やかましさは振動刺激の違いによる評価の違いは見られなかった。振動の知覚評価は、読書作業中において刺激の大小による評価に有意な差が見られ、計算作業中では 75dBとその他の刺激の際に有意差が見られた。作業の妨害感では、低騒音レベルの刺激の際に、振動の大小による評価の違いが有意に見られ、相乗効果を確認した。
パルス波と連続波の超音波伝搬をシミュレータ、ハイドロホンによる計測でそれぞれ調べた。パルス波では直接波とエッジ波がそれぞれ発生した。連続波ではエッジ波や直接波が重なり、サイドロープ(副極)やゼロ輻射角、探触子中心軸上の音圧変動が発生した。近距離音場限界距離についてエッジ波により考察し、この距離について直接波とエッジ波が重なる限界の距離であることを確かめた。これらの現象は連続波の 2波以降で発生し、波の先頭では発生しなかった。また、波形でも 2波以降の波の音圧が変動していることを確認した。フェーズドアレイのグレーティングロープについてシミュレーションで調べ、この現象も連続波において 2波以降のエッジ波が重なって発生した。
環境騒音の現状を把握するための手がかりとして、騒音を可視化することは重要であるが、広範囲に及ぶ騒音計測を継続的に実施することは困難である.近年、様々な無人航空機が間発されており、騒音分野で応用することが可能となれば、広範囲の騒音計測が容易となると期待される.本研究では、空中の騒音を可視化する目的で小型無人飛行船を用いた騒音可視化システムを提案する.無人航空機に機体重量分の浮力のヘリウムガスを充填したバルーンを搭載することで、プロペラ回転騒音を可能な限り低減することが可能となった.また、空間の音情報の連続的な計測が可能となったことを報告する.
It is important to visualize a sound propagation in a broad area for understanding environmental noises. However、it is difficult continuously make environmental noise measurements by human power in the board area and in the high altitude. Recently、various Unmanned Aerial Vehicles (UA V) have been developed. In this paper we propose the visualization system of environmental noise with small blimp robot to measure in the board area and in the high altitude. Since the system is mounted with a balloon filled with helium gas that has product's weight of buoyancy、the system's propeller noise is enough small to use sound pressure measurements. It is also possible to continuously measure the information in the three-dimentional sound field with moving a microphone by using the proposed system.
音場の可視化手法の一つとして、カメラ画像または映像に音情報を重ねる手法がある.視覚情報と音情報の関連を効率的に理解することができるが、一般的な平面ディスプレイでは、画面に対して奥行き方向の音情報呈示が困難である.一方、頭部装着型の三次元ディスプレイ装置であるヘッドマウントディスプレイ+0'が急速に発展しており、ステレオカメラと組み合わせたビデオシースルー型+0'は、奥行き感のある拡張現実感を実現できる.本稿では、シースルー型+0'を用いて、三次元音場情報を両眼の映像に拡張するシステムを提案する.構築したシステムを用いてスピーカ周辺の三次元音響インテンシティマップを可視化する実験を行い、システムの有効性を検証した.
For visualizing a sound field、one popular method is to superimpose the sound information onto an image or video acquired by a camera. Although it effectively assists the understanding of the relationship between information of space and sound、a planer display cannot represent the depth information in a straightforward manner. In contrast、a head-mounted display (HMD) is capable of representing threedimensional information in a more natural way. Especially、a see-through HMD、which is combination of an HMD with a stereo camera、can produce an immersive vison. In this paper、a three-dimensional sound field visualization system based on the see-through HMD、which displays sound information in the three-dimensional space、is proposed. An example of visualization using the system and a speaker is presented.
室内音環境を形成する大きな要因となる室の境界面の音響特性を求める方法のうち、壁面の音波散乱性能を計測する手法では、試料端部からの回折波による計測誤差が問題となる。本研究では、回折の影響を回避した精度良い測定手法として、超音波を利用し鋭い指向性を実現したパラメトリックスピーカを用いて音波を試料中心に局所的に入射させることを考える。これまでの検討よりパラメトリックスピーカから放射する音源の超音波成分がマイクロフォンの周波数特性に影響を与えることが示された。そこで、提案手法に適当なマイクロフォンの選定、およびこれを用いた吸音材の吸音率、板の反射指向特性の測定結果について報告する。
トンネル坑口周辺部における音響伝搬特性に関して、1/40縮尺の模型実験を行った。縮尺模型実験では、縮尺比に応じた高周波数帯域の音が対象となるため空気吸収の影響が避けられないが、本検討では空気媒質における測定結果に信号処理によって空気吸収の逆補正を行った。反射性および部分吸音性の2種類のトンネルを対象として、坑口からの放射指向性、トンネル明かり部沿道の音圧レベル、遮音壁の効果に関して実験を行った。放射指向性については指向性の単純モデル化に関する検討を行い、明かり部沿道についてはASJ RTN-Modelによる計算結果との比較を行った。
タイヤ騒音に基づく路面・タイヤ接触状態計測に向けた車上タイヤ騒音計測システムについて検討した.本システムではタイヤハウス内とエンジンルーム内にマイクを設置し同時に騒音のパワースペクトル密度を計測する.計測の結果、エンジンの回転数が高い条件ではタイヤハウス内マイクでタイヤ騒音よりも大きなパワーのエンジン騒音が計測されることがわかった.この影響を低減するために、あらかじめ停車状態で求めた両マイク間の周波数伝達関数に基づいて、タイヤハウス内マイクで計測されるエンジン騒音のパワースペクトル密度を推定し、走行時に計測された騒音のパワースペクトル密度から差し引くことでその影響を低減する手法を試行した.その結果、0 – 5 kHz の周波数帯域でエンジン騒音の影響を低減できることを示した.
自動車走行音の音粋特性について詳細な知見を得ることを目的とし、関東圏および地方計 6箇所の一般道において自動車走行音のパワーレベル調査を行った。速度―A 特性音粋パワーレベルの関係について ASJRTN-Model 2013を参照して車種別の傾向をみるとともに、小型車類についてはガソリン乗用車、軽自動車、ハイブリッド車の 3車種に分け詳細な検討を行った。また、相対スペクトルについて ASJRTN-Model 2013、Fukushimaモデル、CNOSSOS-EU と比較したところ、大型車、中型車ではいずれのモデルとも適合、ガソリン乗用車は後者 2つのモデルとの適合が良いことが確認された。スペクトルの差異に伴う回折減衰効果の違いについて車種別に定量的検討を行った。
自動車会社の設計部、コンスーマーエレクトロニクスのメーカーでの技術開発の経験の中で、特に音聾振動に関連する間題への取り糾みに着目し具体的な事例を集めた.キーボードの打鍵音、カメラシャッター音、オーディオ機器における、構造の動特性の把握と制御を面品設計視点で実施した事例である.商品機能の設計を進める中で、徐々に顧客のニーズ、特に、顧客の認知評価構造を意識し工学設計の必要性を感じてきた.今後の取り組みの一つとして、設計構想段階にて顧客視点での商品価値を検討する手法開発の計画にも触れる.
ボート競技において、オールを水平回転するフェザ一時に、支柱(リガ一)先端に付いたオールを固定するオールロックで衝撃やばたつきが生じ、大きな振動が発生する。本研究では、オールがオールロックの衝撃的な入力に対して、競技者の印象の異なるオール 2種の振動挙動の違いを把握し、手に入力される特徴的な周波数を明らかにした。また、振動の 2つの周波数帯域において表面筋電位による筋疲労評価を行った。その結果、低周波数の振動の方が筋疲労ヘの影響が大きい可能性があることが確認できた。さらに、既存の JISB7761の等感度曲線に基づく周波数補正曲線より低周波数ほど振動への感覚が高く、オールの構造変更を検討する際は低周波数の固有振動数に着目すべきであると考察した
地下街やビル内など残聾および反響が生じやすい「閉じられた公共空間」における避難語導を想定し、誘導サイン音を手がかりとした経路判断において発生する「迷い」に着目する.本研究では、仮想的な地下街をモデルとした音聾シミュレーションにより誘導サイン音の聴こえを再現し、心理実験を実施した.実験では、サイン音の音源位置を推定し、現在位置からの移動方向を回答させるとともに、その判断における確信度を回答させた.その結果、サイン音の音源となるスピーカの配置や視覚情報の有無によって、「迷い」の生じやすさが異なることが明らかとなった.さらに、「迷い」が生じやすい地点も異なることが明らかとなった
本研究では都市空間における自然環境の望ましさについて評価構造のモデル化を試みた。まず評価グリッド法による実験から、望ましさに関与する変数を得た。ここでは 10 種類の自然風景の映像•音声刺激を 21の実験参加者に呈示し、望ましさの優劣を判断させる際に使用した評価語およびラダーリングにより得られた評価語を整理・統合して、15変数を抽出した。続いて、この変数で構成した評価構造の概念図を基に、定量的な評価構造モデルを求めた。すなわち、15変数を SD尺度として、実験参加者 20名に同刺激を評価させ、得られたデータを用いてグラフィカルモデリングおよび共分散構造分析を行った。最終的に導かれたパスモデルにおいて、第 1変数群から第 2、第 3変数群を経て第 4変数群の「望ましい」に至る 12のパスが示された。
表面音薯特性の現場測定法は数多く存在するが、それら測定法を同一条件下で比較し、特徴をまとめた例はない。そこで本研究では、表面音薯特性の各種現場測定法の比較を行う基礎的段階として、 Cramond(1984)及びAllard (1985)を取り上げ、 EA法をベンチマークとして特性を比較した。低吸音性の地表面を対象とした Cramond法による実測では、妥当な結果が算出されなかった。多孔質吸音材を対象とした Allard法による実測では、反射音の多い室内では妥当な結果が得られなかったものの、屋外では EA法による測定結果と概ね対応する結果が得られた。各手法間で、算出されるインピーダンスの周波数分解能や測定精度などに違いが見られた。
セメントなどの膜構造物では、雨滴が膜等にあたる際に発生する音(雨滴衝撃音)により環境騒音が上昇する間題があり、対策として膜上部にメッシュ層を設置する二層構造にする方法が提案されている。しかしながらどのような二層構造が騒音低減にとって効果的であるかは明らかではない。そこで本研究では、二層構造に適したメッシュ形状や膜とメッシュ層の適切な取付間隔を明らかにすることを目的に、階段室実験を行った。その結果、メッシュの濡れの程度に関係なく取付間隔が 20mm程度で最も衝撃音レベルが低くなることや、降り始めの降雨を想定した実験では、メッシュが細かいほど低減し、一方である程度雨が降りメッシュが濡れた実験では、メッシュが細かいとメッシュから音が発生するため、水滴が留まらない粗いメッシュが良いことが明らかになった。
風車周辺の静穏な地域における残留騒音を正確に推定する方法を研究した。 LA90+2で残留騒音を予測すると、風のゆらぎの影讐で騒音のベースが変化する場合には大きな諒差になり正確な推定ができない。そこで騒音レベルの頻度分布に着目し、残留騒音は正規分布すると仮定して予測された分布から外れた高いレベル値を削除することにより正確に残留騒音予測できる方法を開発した。ここで提案する推定方法を静穏な住宅地での残留騒音測定に適用したところ、試行した例では偏りバラッキとも士 ldBの精度で予測できた。さらに実用化のために、数秒毎にサンプリングした LAeqで推定を行ったが、 1~10秒毎のサンプリング時間でほぼ同様な精度で残留騒音の推定ができた。