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2018年1月9日(沖縄)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-01 【 PDF
保育器内の音環境改善のための微細穿孔板の適用 ー微細穿孔板の複層化による吸音性能の広帯域化ー
Application of Micro Perforated Panels for improving the sound environment in incubators: Wider bandwidth of sound absorption efficiency with double layer of Micro Perforated Panels
穴井謙1、玉谷行識2、新小田春美3、盆野元紀4
Ken Anai1、Takanori Tamaya2、Harumi Shinkoda3、Motoki Bonno4
1九州工業大学大学院工学研究院、2九州工業大学工学部、3三重大学大学院医学系研究科看護学専攻、4三重中央医療センター
1Faculty of Engineering、Kyushu Institute of Technology、2Department of Engineering、Kyushu Institute of Technology 、3Midwifery and Maternal Nursing、Graduate School of Medicine、Mie University 4Mie-chuo Medical Center
抄録

周産期医療のために利用されている保育器の内部空間は、医療機器の アラーム等が周囲で常に鳴っていることや、保育器が硬い樹脂製のために音が箭 りやすい空間になっていることから、児にとって好ましい音環境ではないことが 懸念される。本報告では、新生児集中治療室や回復治療室に設置されている保育 器内外の音環境の一事例を紹介している。また、保育器内に 4種類の微細穿孔板 を設罹することで吸音効果が現れる周波数帯域を 3オクターブまで広げることが でき、児の泣き声に対して 3dB程度の吸音効果が得られることを実験的に明らか にしている。さらに、複層に配買した微細穿孔板は互いに影響しあい、各層の吸 音効果が重なり合って現れるわけではないことを示し、今後、数値シミュレーショ ンの適用など、設計手法を引き続き検討する必要があることを示唆している。

抄録(英語)

N-2018-02 【 PDF
在来鉄道と新幹線が隣接する地域での在来線高架化の鉄道騒 音に対する社会反応への影響
Effects of conventional railway elevation on railway noise annoyance in an area with adjacent conventional and Shinkansen
村上泰浩1、矢野隆2、下川床賀2、森長誠3、横島潤紀4
Yasuhiro Murakam1、 Takashi Yan2、Tsubasa Shimokawatok2、Makoto Morinag3Shigenori Yokoshima4
1崇城大学、2熊本大学、3防衛施設協会、4神奈川県環境科学センター
1Sojo University、2Kumamoto University、3DFEIA、4Kanagawa Enviromnental Research Center
抄録

筆者らは 2011年 3月の九小卜1新幹線の全線関通前から熊本駅の北 側(北地区)と南側(南地区)で鉄道騒音・振動に関する社会調査を継続的に 実施してきている。 2015年には隣接する在来線の高架化工事が熊本駅の北側 (北地区)で完了した。本研究では、 2016年と 2017年にそれぞれ北地区と南 地区で社会調査と騒音測定を実施し、北地区では高架化前 (2012年)と後 (2016 年)の騒音暴露量の変化に対する社会反応を比較するとともに、南地区では新 幹線開通直後 (2011年)と 6年後 (2017年)の社会反応を比較した。その結 果、前者では高架化による騒音暴露量の step-changeの効果と後者では新幹線開 通後の長期的な変化傾向に統計的に有意な差は見られなかった。

抄録(英語)

鉄道騒音・振動,社会調査,鉄道高架化,騒音暴露量の変化効果,アノイアンス
N-2018-03 【 PDF
サウンドスケープ研究の国際標準化の議論が進む前に検討すべき いくつかの間題
Problems which should be discussed before the standardization of soundscape research will be completed
永幡幸司
Koji Nagahata
福島大学
Fukushima University
抄録

「あるコンテクストの中で、個人又は人々が、知覚・経験・理解した 音環境Jと定義されるサウンドスケープは、言語依存性が高い研究分野である。 そのため、この分野の研究方法の国際標準化を図るには、言語が人々の音環境 理解に与える影響に、細心の注意を払う必要がある。本稿では、soundscapeの 訳語(概念レベル)、「騒音」という語(専門用語の定義レベル)、そして、サウン ドスケープの評価語(日常語レベル)という 3つの異なるレベルにおける、言語 の違いが引き起こす、サウンドスケープ研究の国際標準化の議論が進訂前に検 討しておくべき間題を指摘した。

抄録(英語)

サウンドスケープ,ISO 12913,分節、有徴/無徴,評価尺度
N-2018-04 【 PDF
残留騒音の代表性に対する統計的検討 -LA90+2dBで推定した残留騒音を測定マニュアルで評価した場合のバラッキと季節変化一
Statistical Study for a Area Representation of a Residual Noise
内田英夫1、沖山文敏2、山下恭弘3
Hideo UCHIDA1、Fumitoshi OKIYAMA2、Yasuhiro YAMASHITA3
1エヌエス環境、2オリエンタルコンサルタント、3信州大学
1NS Environment Corporation、2Oriental Consultants Co.、Ltd、3 Shinsyu University
抄録

風力発電施設からの騒音は、残留騒音+5clBで評価される。この ため残留騒音の調査要望が増えたが、これまでに残留騒音の報告例は少ない。 また、記面のための検討会では労力軽減のため残留騒音を LA9o+2dBで推定して 良いとしている。このためこの推定法で環境の残留騒音の季節変化や測定日数、 1日の測定時間などでどのようなラツキがあるかを実態調査した。 3 日間のパ ワー平均値ではバラツキは小さくなるが、測定マニュアルでは 1日の測定時間 を昼夜の時間帯数の半数以上としていることや 1時間値を 10分の測定値で代 表するため、このためのバラッキもある。実態調査では測定時間数が少なくな る場合など条件が悪くなるとバラツキが大きくなることが明らかとなった。

抄録(英語)

残留騒音,風車音評価,騒音季節変化,地域代表性,統計的評価
N-2018-05 【 PDF
共同住宅における歩行音の聴感印象に関する実験的検討 ー背景音の効果に関する検討一
Experimental study on the auditory impression of floor impact sound by walking in multi-family housings.
黒木拓1、大脇雅直1、佐藤英規2、三室敬史2、芦澤洋2
Taku KUROKI1、Masanao OWAIG1、Hidenori SATO2、Yoshifumi MIMURO2、Hiroshi ASHIZA WA2
1(株)熊谷組技術研究所、2三菱地所レジデンス(株)
1Technical Research & Development Institute Kumagai Gumi Co.、Ltd、2Mitsubishi Jisho Residence Co.、Ltd
抄録

本報では、所定の床衝撃音遮断性能が確保されている共同住宅 の居室において録音した上階からの歩行音を用いて、背景音を付加した場合の 歩行音の聴感印象の変化について検討を行った。背景音が大きくなるに従い不 快と感じる割合は減少する傾向にあった。次に、24時間換気を用いて背景音を 付加する装置を作製し、実建物居室での背景音によるマスキング効果について 検討した。実建物居室において作製した背景音を付加する装置で背景音を付加 することで、歩行音がマスキングされることが確認できた。

抄録(英語)

共同住宅,室内静謡性能,歩行者,マスキング,聴感実験
N-2018-06 【 PDF
共同住宅の床仕上げ構造に関する基礎的検討─ 床衝撃音低減性能と床のかたさについて ─
Investigation of skin floor structure of apartment house -Floor impact sound insulation and hardness of floor
久米智史1、石丸岳史1、黒木拓2、大脇雅直2、小林秀樹3、山下恭弘4
Satoshi Kume1、Takeshi Ishimaru1、Taku Kuroki2、Masanao Owaki2、Hideki Kobayashi3、Yasuhiro Yamashita4
1(有)泰成電機工業、2株熊谷組技術研究所、3野原産業(株)、4信州大学名誉教授
1Taisei Electronic Industries Co.、Ltd.、2 Technical Research & Development Institute Kumagai Gumi Co.、Ltd、3Nohara Co.、Ltd.、4 Prof.emeritus、Shinsyu University
抄録

共同住宅の床仕上げ構造として採用されている床材について、 複数の性能値を確認することを目的とし、床衝撃音低減性能と転倒衝突時 の床のかたさを測定した。合わせて、床衝撃時の同一空間内の発生音も測 定した。床材や床仕上げ構造の違いは、各試験装置の違いによって、その 変化も異なることから、床衝撃音低減性能以外の性能値に関しても、性能 を把握する必要があることを示した。

抄録(英語)

共同住宅,床仕上げ構造,床衝撃音低減性能,床のかたさ
N-2018-07 【 PDF
沖縄で訓練する米軍航空機が及ぼす騒音問題
Noise problems exerted by US military aircraft training in Okinawa
渡嘉敷健
Tokashiki Takeshi
琉球大学工学部
Univ. of the Ryukyus
抄録

沖縄県の米軍基地に所属する航空機は、離発着の際に lOOdB近 い騒音を発生させ、近隣の住民の生活に多大な影聾を与えている。これを受 けて、米軍は負担軽減のため、訓練移転等を行い、飛行回数の削減を行って いる。しかし、依然として騒音は大きく住民の不安と怒りは大きい。 米軍普天間飛行場には 2012年 10月 MV-22オスプレイ輸送機が 24機配備さ れている。このオスプレイが飛行する際に発生する、低周波音による振動と騒 音が各訓練地域の学校においても児童の学習環境に現在大きな間題となって いる。そこで、名護市教育委員会及び東村教育員会の協力を得て児童によるア ンケートを得た。そして、 2017年 10月で 5年が経過したが普天間飛行場の滑 走路北側と南側住民に対してアンケート調査を実施した。さらに、 2017年 11 月には、嘉手納飛行場に F-35Aが配備され騒音が更に激化している。これら米 軍航空機の住民が受ける騒音間題について示した。

抄録(英語)

沖縄,小学校,米軍基地,MV-22オスプレイ,低周波音,F-35A
N-2018-08 【 PDF
嘉手納基地騒音による住民の健康影響に関する疫学調査 一周辺住民の行政従事者の不眼症、高血圧に着目して一
Epidemiological Study in order to the Effect ofKadena Base Noise on Residence's Health -F orcus oflnsomnia and Hypertantion of Government Workers near the Base
拘澤吉明1、古謝明寿2
SASAZAWA Yosiaki1、KOJA Akitoshi2
1琉球大学教育学部、 2 沖縄県健康づくり財団
1University of Ryukyus Facurity of Educatio、2 Okinawa Health Promotion Foundation
抄録

要旨:【目的】本研究は、嘉手納韮地周辺に居住する近隣の行政従事者を対象に基地騒音と彼らの健康影讐 (高血圧、不眠症)について疫学調査を実施した。【方法】対象は役場に勤務する 18~65歳の男女 659名。 自記式質間紙による留岡き調査を実施した。調査項目は、基本的属性、血圧値、不眠症傾向、抑うつ性、アノイ アンス、生活習慣等で構成された。騒音曝露レベルは、自動監視測定器の値と既存の騒音コンター図を照合し 同定した。高血圧、不眠症傾向を従属変数とし、騒音曝露レベルを説明変数とした多重ロジスティック回帰 分析を行った。【結果】夜間騒音が Lnight50dB以上の曝露地域は Lnight39dB以下と比較して、不眼症傾 向のオッズ比が 2.3 (95%CI:L0-5.2) であった。

抄録(英語)

基地騒音(Base Noise),不眠症(insomnia),高血圧(hypertension),疫学調査(EpidemiologicalStudy)

2018年2月9日(後楽園)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-09 【 PDF
環境騒音に対する苦情反応の要因に関する検討
Factors affecting complaits due to environmental noises
横島潤紀1、森長誠2、矢野隆3
Shigenori YOKOSHIMA 1、Makoto MORINAGA 2、Takashi YANO3
1神奈川県環境科学センター、2防衛施設協会、3熊本大学
1Kanagawa Environmental Research Center、2Defense Facilities Environment Improvement Association、3Kumamoto University
抄録

筆者らは、社会音響調査データアーカイブ(SASDA)に収納されている環境騒 音(交通騒音と風車騒音)のデータセットを用いて、自己申告による苦情反応 について、各種影響要因との関連について検討を続けている.本稿では、騒音 暴露量が、妨害感やアノイアンスを介して苦情反応に影響を及ぼす階層構造モ デルに対して、構造方程式モデリングを適用することで、各要因から苦情反応 への影響度および影響過程の解明を試みた.その結果、騒音暴露量は、苦情反 応を規定する直接的要因というよりも、妨害感・アノイアンスを介した間接的 要因であった.そして、妨害感とアノイアンスとでは、苦情反応への寄与は妨 害感の方が大きいことも明らかにした.

抄録(英語)

環境騒音,苦情,妨害感,アノイアンス,構造方程式モデリング
N-2018-10 【 PDF
Social survey on Community response to road traffic noise in Kinshasa、Democratic Republic of the Congo
Junior Nzelengenge Tambik1、Keiji Kawai2
1Graduate School of Science and Technology、2KUMAMOTO UNIVERSITY
抄録

-

抄録(英語)

Abstract: Kinshasa is facing serious noise problems caused by the expansion of transportation and the increase of traffic volume by importing second hand cars from overseas. Despite the numbers of open bars and churches in almost all street corners、road traffic noise is considered to remain the main source of annoyance. So far no protection or policy against noise has been implemented. This social survey is the first survey on road traffic noise in the Democratic Republic of the Congo (DR Congo)、with the main goal to accumulate socio-acoustic survey data that will help us to evaluate the nuisance due to road traffic noise、and contribute to DR Congo noise policies in finding various methods which will aimed at minimizing the noise pollution and introduce various restrictions to improve life quality in our environment. This survey on road traffic noise was performed at four sites in Kinshasa city in September 201 7 as preliminary study. By face to face interview、the sample sizes were 240 and the response rates were 98%. A 24 hours noise measurement was conducted at a representative point of each road and the noise indices such as Lcten were calculated. The Lcten of four sites were from 73 to 79 dB. The dose response relationship was obtained in the four sites. People living in sites 3 and 4 answered more annoyed and also more disturbed in daily activity such as listening and sleeping; possibly due to the high traffic volume in the sites、since these are the main arteries of Kinshasa city.

Road traffic noise,Social survey,Annoyance,Percent annoyed,Dose-response relationship
N-2018-11 【 PDF
低周波数純音成分を含む騒音の聴感評価に関する 基礎的研究: 可聴性および大きさ感に関する評価実験
Basic studies on the evaluation of noise including a low frequency tonal component: Subjective experiments on the audibility and the loudnes
米村美紀1、佐々木奏子1、辻村壮平2、李孝珍3、坂本慎一3
Yonemura Miki1、Sasaki Kanako1、Tsujimura Sohei2、Lee Hyojin3、Sakamoto Shinich3
1東京大学大学院 工学系研究科、2茨城大学、3東京大学生産技術研究所
1Graduate School of Engineering、the University of Tokyo、2Ibaraki Universty、3Institute of Industrial Science、the University ofTokyo
抄録

卓越した純音成分を持つ騒音の不快感評価を行うための基礎的な 検討として、40~400Hz の純音周波数を対象に、ピンクノイズおよび環境騒音を 模したノイズを用いてマスキング閾値と大きさ感の評価実験を実施した。 80Hz 以上の純音のマスキング閾値は、IEC61400-11 :2012に定める純音性可聴度が一 2 dB程度であったが、40、50Hzでは 0.5~3.2 dBと高い結果となり傾向の違いが見 られた。大きさ感の実験では、純音付加による大きさ感の増加を A特性音圧レベ ル LAおよび Moore-Glasbergのラウドネスレベル LL(M)の 2指標を用いて評価し た。ピンクノイズに純音を付加した条件と環境騒音を模したノイズに純音を付加 した条件では、純音周波数によって大きさ感の増加の傾向が異なった。

抄録(英語)

純音性騒音,マスキング閾値,大きさ感,純音性可聴度
N-2018-12 【 PDF
Convolutional Neural Networkによる ジェット航空機の機種識別
Aircraft type identification for jet airplanes by Convolutional Neural Network
森長誠1、森淳一1、山元一平1、松井孝典2、川瀬康彰3、花香和之3
Makoto Morinaga1、Junichi Mori1、lppei Yamamoto1、Takanori Matsui2、Yasuaki Kawase3、Kazuyuki Hanaka3
1(一財)防衛施設協会、2大阪大学、3(一財)成田空港振興協会
1Defense Facilities Enviromnent Improvement Association、2 Osaka University、3 N arita International Airport Promotion Foundation
抄録

深層学習の手法の一つである ConvolutionalNeural Networkを用い て、ジェット航空機の機種識別を試みた。学習およびテストに用いたデータは成 田国際空港を離着陸する航空機の音の 1/3オクタープバンドノイズレベルであり、これらが 1秒間隔でサンプリングされた 60秒間のデータを使用した。使用した データの中には、同じ機種であってもエンジンの型式が異なるデータが見られた ため、機種・エンジン型式・離着陸の違いを考慮した音源分類を行い、合計で 19 種類の音源の識別を行った。その結果、全体の正解率(accuracy)は97%であり、非 常に高い識別結果が得られた。

抄録(英語)

Deep Neural Networ,Convolutional Neural Network,noise identification
N-2018-13 【 PDF
パラメトリックスピーカを用いた建築音響特性の計測 ー超音波の低減に関する検討一
Measurements of Acoustic Properties of Architectural Materials by Using a Parametric Loudspeaker -Study on reduction of ultrasound carrier waves
菅原彬子1、李孝珍2、坂本慎一2、武岡成人3
Akiko Sugahara1、Hyojin Lee2、Shinichi Sakamoto2、Shigeto Takeoka3
1東京大学大学院、2東京大学生産技術研究所、3静岡理工科大学
1Graduate school of Engineering、the University of Tokyo 、2 Institute of lndustrial Science、the University of Tokyo、3 Shizuoka Institute of Science and Technology
抄録

材料の音聾特性を測定する場合、周壁や周囲の物体からの反射 や材料端部の回折等の不要な音波との干渉が測定誤差の要囚となる。そこで、 本研究では超音波を利用し鋭い指向性をもって可聴音を再生するパラメトリ ックスピーカを計測に応用することを検討した。これにより音波を測定対象範 囲に局所的に入射し不要な音波を回避することができるため、簡便かつ高精度 な測定手法として期待される。しかし、パラメトリックスピーカから放射され る高音圧な超音波が受音系統に“擬音”と呼ばれる現象を引き起こし、測定試 差が生じるという間題が生じた。これを回避するため、フォノニック結晶及び 音源の位相反転駆動の 2つの手法を検討した。これらを現場におけるグラスウ ールの吸音率測定に適用した結果について報告する。

抄録(英語)

パラメトリックスピーカ,超音波,計測手法,擬音
N-2018-14 【 PDF
タイヤの振動エネルギー伝搬モデル
Vibration Energy Propagation Analysis of Mechanical Products and Musical Instrument Bodies
山崎徹1、中村弘毅1、亀山陽平2、澤田克人2、北原篤3
Toru YAMAZAKI1、Hiroki NAKAMUR1、Yohei KAMEYAM2、Kaito SA WAD2、Atsushi KITAHAR3
1神奈川大学、2神奈川大学大学院、3株式会社ブリヂストン
1Kanagawa University、2Graduate School of Kanagawa University、3Bridgestone Co.、LTD.
抄録

近年の自動車の電動化などに伴いパワーユニット系の騒音が大幅に低減され、相対的にタイヤ騒音の寄与が高くなっている.タイヤと路面により発生する騒 音間題は、タイヤの振動放射音、タイヤと路面間の空隙による空気音に大別さ れる.特に、前者のタイヤ振動放射音間題は、タイヤの構造の複雑さ、超粘弾 性体材料であるが故の難しさにより、タイヤ単体の振動を解析・予測すること も難しい間題である.またタイヤに係る間題は分子レベルから地球環境までを 網羅するマルチスケール間題でもある.このような複雑な間題を、社会的かつ 工業的に有益な一歩を踏み出すことを目指し、著者らは振動エネルギー伝搬に 着目したタイヤ関連の研究にマクロ的に着手している.本論文では、これまで の研究成果について報告する.

抄録(英語)

タイヤ,路面,振動エネルギー,振動伝搬
SEA
N-2018-15 【 PDF
動力と音聾出力(雑観)
Sound Radiation from Moving Body
久野和広
Kuno Kazuhiro
-
抄録

大気中で物が動けば音が出る。動物や乗物(人、馬、自動車、電車、ジェット機)の移動に要する動力(毎秒のエネルギー消費量)と発生する音量との関係について概観する。

抄録(英語)

2018年3月9日(金沢)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-16 【 PDF
災害等非常時屋外拡声システム性能確保のためのASJ技術規準(第1版)
ASJ Technical Guideline for Outdoor Public Address Systems to Cope with Disasters (Ver.1)
佐藤逸人1、宦木禎史2、鈴木陽一3
SATO Hayato1、CHISAKI Yoshifumi2、SSUZUKI Yoiti3
1神戸大学、2千葉工業大学、3東北大学
1Kobe Univ、2Chiba Inst. Tech、3Tohoku Univ.
抄録

2011年 3月に発生した東 H本大震災では、防災行政無線の屋外拡 声音をよく聞き取れなかった市民が 20%いたことが示されている。その一因とし て、屋外拡声システムに音響面の技術規準が存在していなかったことが考えられ る。このことを踏まえ、日本音響学会では「災害等非常時屋外拡声システムのあり 方に関する技術調査研究委員会」を設置し、屋外拡声システムの音声伝達性能高度 化のための研究開発と、その社会実装に向けた技術規準の策定に取り組んで来た。 その成果の最新版として、「災害等非常時屋外拡声システム性能確保のための ASJ 技術規準(第 1版) (略称: ASJ屋外拡声規準)」が 2017年 7月に web公開され た。この規準は、施工あるいは改修された屋外拡声システムの性能を確認する方法 を網羅し、最低限必要な確認項目を明確にすることにより、満たすべき性能の実現 を促進させることを目的としている。

抄録(英語)

防災行政無線,屋外拡声システム
N-2018-17 【 PDF
雑音・残響環境下での緊迫感がある音声の知覚
Perceotion of urgency speech under noisy and reverbrant environments
小林まおり、赤木正人
Maori KOBAYASHI 、Masato AKAGI
北陸先端科学技術大学院大学
Japan Advanced Insitute of Science and Techonology
抄録

近年、緊迫感に着目した避難呼びかけ音声の試みが始まってい る。しかし、実環境で想定されるような雑音や残響があるなかで、緊迫感があ る音声の聞こえについては検討されていない。そこで、本研究では緊迫感の程 度が異なる 3 つの音声刺激を用い、雑音あるいは残響の負荷が音声の聞き取り やすさや緊迫感に及ぼす影響について検討した。その結果、聞き取りやすさに ついては、残響環境下では音声の緊迫感の影響は認められなかったが、雑音環 境下では緊迫感が高い音声で低下する場合があった。緊迫感については、雑音 や残響によってその心理量は低下するが、緊迫感が高ければ雑音残響下でも緊 迫感自体は知覚できることが示された。これらの結果から、音声の緊迫感が十 分に高い場合には、雑音や残響下でも緊迫感を伝達できる可能性は高いものの、雑音環境で聞き取りやすさが低下する恐れがあり、注意を必要とすることが示 唆された。

抄録(英語)

音声,緊迫感,雑音,残響
N-2018-18 【 PDF
残響下の了解度と発話変形との関係 ─ フォルマント分析による検討 ─
speech intelligibility in reverberated conditions and speech modification -analysis of vowel formant frequencies -
久保理恵子、赤木正人
Rieko KUBO、Masato AKAGI
北陸先端科学技術大学院大学
Japan Advanced Institute of Science and Technology (JAIST)
抄録

異なる残響時間の環境下で発話された音声は、残響環境 下での音声了解度が異なった.残響環境下の了解度に寄与する要因 を明らかにするため、母音同定の手がかりであるフォルマント周波 数の音響分析を行い、残響環境下で生じる発話変形を検討した.残 響時間が長い環境の発話は、各母音特有の舌の上下・前後位置がよ り明確であり、調音結合の影響による母音弱化が減少することが示 唆された.残響環境下での了解度が特に高い音声は、明確な調音に よって音韻の音響特徴がより明確に実現されたものであったことを 示唆する.

抄録(英語)

音声了解度,残響時間,調音結合,フォルマント遷移
clear speech
N-2018-19 【 PDF
避難行動を喚起する防災放送 ─ 主観的印象と音声の特徴に与える教示の効果 ─
Toward better annoucements for disaster prevention ---Effects of suggesting words for psychological impressions and acoustical characters---
高野佐代子、上田義郎
Sayoko Takano and Yoshio Tsuchida
金沢工業大学
Kanazawa Institute of Technology
抄録

避難行動を喚起する防災放送の実現のため、「逃げる気になる」音声の発話 とその評価を行う。実験 lでは、文体と言葉(具体的・抽象的)の印象の違い を調べた。大差は無かったものの、敬体の評価が若干高いという傾向を得た。 実験 2では、敬体で抽象的な文章を用いて、読み手(プロ・一般人)に読み方 の教示を与えた発話の印象を調べた。プロは指示に関わらず「逃げる気になる」 が、一般人はどのような教示も「逃げる気」になる音声になりにくい。比較的 には「焦って」「命令口調で」が若干高い評価を得た。音声の高さ、速さ、大 きさを独立変数とし、「逃げる気になる」の評価点を目的変数とした重回帰分 析では個人ごとにどの教示が有効かを予測した。評価が高いもの 3項目(同値 があれば 4項目)の一致率は 50%程度であった。

抄録(英語)

防災放送,訓練システム,音声評価
N-2018-20 【 PDF
言語学から見た避難呼びかけ文の現状と分析
The facts and analysis on evacuation calls from a linguistic perspective
小笠原奈保美1、大藤建太2
Naomi Ogasawara1、Kenta Ofuji2
1群馬県立女子大学、2会津大学
1Gunma Prefectural Women’s University、2University of Aizu
抄録

災害害避難者対象のアンケート調査文献のメタ分析をかわきりに、 発話の仕方の音響的影響の基礎実験、実際の自治体避難呼び掛けで使われている 文言の言語論的・統計的分析を行った。その結果、自治体が現在用いている呼び かけ文言には、言語伝達・理解に伴う聞き手の負荷を下げるための工夫の余地が ある一方で、理解のレベルを維持しながら避難のための危機感を持ってもらうた めの語用的設計にはトレードオフが存在することを明らかにした。一方で、語用 の統計分析だけでも、例えば避難準備/避難勧告/避難指示文の構造的な違いを 明らかにすることがある程度可能であることを確かめた。

抄録(英語)

災害避難,避難呼びかけ,言語量,文言,語用

2018年5月9日(名古屋)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-21 【 PDF
低周波音領域の音波加振による住宅の振動 ー強風時と破裂音による加振事例一
In the low frequency sound region Vibration of Houses By Low Frequency Sound Excitation -Case of Vibrating by High Wind and Explosive Sound -
佐野泰之
Yasuyuki SANO
愛知工大
AIT
抄録

低周波音によるり窓や建具が加振されることが知られているが、建物がどの程度加振されるかについては明らかになっていない。また、強風時にどの程度の低周波音に曝されるかについてもあまり知られていない。本研究では、ある住宅において、建物内外で低周波音と振動をモニタリングをしている。本報では、昨夏1ヶ月モニタリングした結果、「強風時」「花火の打上音」「雷の雷鳴」のデータが得られた。本報では、周波数特性と建物振動と音圧との相関について報告する。

抄録(英語)

木造,床振動,振動測定,人荷重,測定評価,振動伝搬
N-2018-22 【 PDF
教育施設からの音に対する調査研究 ー保育園・幼稚園と市民を対象としたアンケート調査一
Questionnaire survey to the sound environment for Kindergarten,Nursery schools and citize
西川 嘉雄1、河路 友也2
Yoshio Nishikawa1, Tomoya Kawaji2
1長野工業高等専門学校, 2愛知工業大学工学部建築学科
1National Institute ofTechnology, NAGANO College, 2Aichi Institute of Technology
抄録

『保育・幼稚園アンケート』音に関する意見の件数は、大阪市・横浜市が概ね長野県の2倍であった。長野県と大都市共通で、大きな音が出る活動で意見が寄せられ、大都市では普段の活動で発生する音に関する意見が多く寄せられていた。園児の数がある程度多くなると、意見を寄せられることが確認できた。相関の検討では、音に関する意見と園の規模などは弱い相関以下であった
『市民アンケート』教育施設の建設に反対する人は、「聞こえたら悩まされる」と感じている傾向が見られた。また音が気にならないが建設に反対する人も多く、音以外で反対していることが推測された。建設反対者と建設歓迎者の比較では、地域区分では特徴的な傾向は見られなかった。建設反対者が歓迎者の割合を上回ったのは、年齢では40,50歳代、職業は会社員・パート・公務員であった。また、反対者は地域行事へ歓迎者より参加していない傾向が見られた。

抄録(英語)

音環境,アンケート調査,騒音間題
N-2018-23 【 PDF
セミなどの自然の音の地域別比較と航空機騒音評価値への影聾
Comparison of natural sounds such as cicada among various regions in Japan and consideration for its influence of evaluation value of aircraft noise
篠原 直明1、川瀬 康彰2
SHINOHARA Naoaki1, KAWASE Yasuaki2
1一般財団法人空港環境整備協会、航空環境研究センター, 2一般財団法人成田国際空港振興協会
1Aviation Environmental Research Center, Airport Environment lnprovement Foundation, 2Narita International Airport Promotion Foundation
抄録

各地の航空機騒音の常時監視結果から、季節別の残留騒音レベルを集計した結果を用いて、セミなどの自然の音が地域でどのように異なるかを調べた。関東地方の郊外では、春季のカエル・夏季のセミ・秋季の虫の音と豊かな自然音がみられた。他の地域では、夏季のセミが顕著だが、特に西日本地域のクマゼミが特徴的である。これらの自然音が航空機騒音の観測に及ぼす影聾を検討するために、まず、自然音の特徴としてセミや秋の虫などの特徴を整理した。高周波成分が卓越するこれらの自然音を、周波数帯域で航空機騒音と区別できるかなどの、測定時の対応についても考慮したが、可否は日然音の種類と航空機騒音の測定位置に依存することが分かった。併せて航空機騒音評価への影響についても分析した結果、極端に大きな自然音が観測される場所でなければ、評価値ヘの影響は0.5dB程度以下にとどまると推定された。

抄録(英語)

環境騒音,自然音,航空機騒音,環境基準,信頼性
N-2018-24 【 PDF
ニューラルネットワークを利用した機械動作音の不快感の予測
Prediction of Degree of Discomfort in Machine Noise with Neural Network Model
市川 史弥、北村 一起、野呂 雄—、竹尾 隆
Fumiya Ichikawa, Kazuki Kitamura, Yuichi Noro, Takashi Takeo
三重大学大学院工学研究科
Garaduate School of Engineering, Mie University
抄録

筆者らはこれまで、インクジェット方式のプリンタについて動作音の印象評価に有効な音の物理的評価指標の探索を行ってきた。本報ではLAeq,シャープネス,変動強度が異なる22種類の試験音に対して印象評価実験を行い、得られた印象尺度値と音の物理的指標との関係をニューラルネットワークモデルで機械学習することによって、非線形な要素を取り入れた新たな評価指標を導出する。また、過学習の危険性を考え交差検定によるモデルの評価や、交絡項を加えた非線形な重回帰式をベースとする指標との比較も行った。

抄録(英語)

プリンタ動作音,印象評価,ニューラルネットワーク,交差検定
N-2018-25 【 PDF
人の足音と気配
Man as a Sound Source and Its Perception
久野 和宏
Kuno Kazuhiro
-
抄録

人は動き回ったり、声をはじめ体内から様々な音を発生している。これら人の発する各種の音のパワーレベルについて考察し、歩く速さと音量との関係及び接近距離と人の気配を察知する音量との関係等について検討する。

抄録(英語)

2018年6月13日(富士)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-26 【 PDF
微小振動領域における鉄骨住宅の振動特性と交通振動対策
Vibration Characteristics of Steel Framed Low-rised Residence and Measure against Traffic-Induced Vibration
中田 信治1、福和 伸夫2
Shinji NAKATA1, Nobuo FUKUWA2
1旭化成ホームズ, 2名古屋大学
1Asahi Kasei Homes, 2Nagoya University
抄録

本論文では環境振動における中低層鉄骨住宅の設計・評価の資料を得ることを目的として居住者の振動知覚と地盤の振動特性に焦点をあて各要因の分析を行った。地盤の振動特性については支持層が比較的深く、車両交通による振動源が近い地盤の場合、3Hz近傍で地盤応答が卓越することが確認された。振動知覚については短周期水平振動知覚実験を行い、実測結果との関係を分析した。また建物の振動特性については実測結果と構造計算結果より得られる固有振動数には差異がみられ環境振動評価においては2次部材の影聾が無視できないことが確認された。
なお、本論文は建築学会構造系論文集を加筆修正したものである。

抄録(英語)

交通振動,振動レベル,振動知覚,固有振動数,地盤振動
N-2018-27 【 PDF
住宅の周辺条件を考慮した環境振動評価に関するアンケート結果の分析
Analysis of Questionnaire Results on Envirorunental Vibration Evaluation in Consideration of the Conditions around Houses
坪井 恒太郎、井上 勝夫、冨田 隆太
Kotaro Tsuboi, Katsuo Inoue, Ryuta Tomita
日本大学
Nihon University
抄録

環境振動の間題は現在も報告されており、解決しなければならない間題である。この間題を解決するためには、建物を建てる前に、環境振動が発生するかどうか判断し、どの程度の揺れが生じるのか予測することが必要であり、事前に対策をすることが重要である。本研究では、振動の知党の有無や環境振動評価から環境振動の現在の実情を把握し、環境振動が影響を及ぼす範囲の検討、そして、簡易的な環境振動予測法の提案を日的としている。本報では、環境振動に関するアンケート調査とアンケート調査の結果から住宅の周辺条件を考慮した分析を行った。

抄録(英語)

環境振動,アンケート調査,交通振動,住宅の周辺条件
N-2018-28 【 PDF
ゼオライトを用いた粒状体制振天井による床衝撃音低減対策
Reduction of floor impact sound using double-layered ceiling with damping by granular materials'Zeolite'
冨高 隆、増田 潔
Ryu TOMITAKA, Kiyoshi MASUDA
大成建設(株)技術センター
Technology Center, Taisei Corporation
抄録

振効果を有する無機系粒状体ゼオライトを封入した特殊粒状体袋を天井上に敷設した粒状体制振天井工法を対象として、粒状体制振適用前後における各種検証実験を行った。粒状体制振の適用により、床スラブ厚150mmのリニューアル集合住宅の床衝撃音遮断性能は、重量・軽量ともに近年の一般的な新築集合住宅とほぼ同等の性能を達成することが確認された。また、防振遮音天井の防振効果量は、天井面の曲げ振動の影響により性能が低下していた周波数帯域において、粒状体制振の適用により大幅な性能の改善が確認され、防振遮音天井の高性能化を図ることが可能となった。

抄録(英語)

床衝撃音,二重天井,防振遮音天井,ゼオライト
N-2018-29 【 PDF
鉄骨系工業化住宅における重量床衝撃音対策事例
Examples of heavy floor impact sound countermeasures in industrialized steel frame houses
渡部 和良
Kazuyoshi WATABE
旭化成ホームズ
Asahi-kasei Homes
抄録

これまでは低層系の住宅及び賃貸住宅における重量床衝撃音性能は、LH-60レベルが一般的であった。しかしながら最近は大手ハウスメーカーを中心に重量床衝撃音性能を向上させ、LH-55レベルが一般的な性能となりつつある。過去に、標準的な鉄骨ALC床構造において、床、天井、壁面など総合的な対策を施すことで、高性能化が図れることが分かった。重量床衝撃音における主な決定周波数に対して、特定周波数を低減させる手法として、ダイナミックダンパーなどが有効であることが分かった。また、基本的な対策である床構造の重量・剛性の増加に対して、躯体構造の補強もバランスよく行う必要性が分かった。

抄録(英語)

鉄骨ALC造,重量床衝撃音,ダンパー,躯体補強,制振材
N-2018-30 【 PDF
集合住宅における不思議音測定事例
The strange sound measurement case in multiple-dwelling house.
小谷 朋央貴
Tomooki Kotani
フジタ
Fujita Corporation
抄録

発生原囚が不明な音は、異音、不思議音や不明音と呼ばれている。日本騒音制御工学会研究部会不思議音分科会では、不思議音を「発生原因の特定が困難な音、また、特定が困難であった音」と定義している。不思議音の原因には、人の行為、自然現象(風・熱など)による建物部材変形、建築設備(配管、空調機器等)によるものの場合が多く、最近では色々な測定方法により解明されている。本報では集合住宅において発生した不思議音事例を報告する。発生した不思議音は衝撃的なものであり、今回は原囚究明を壁振動などの同時多点測定結果から解明した。測定結果より、発生原因は設備縦配管のスラプ貰通部からと判明し、適切な対策処理によりその後の発生は無くなった。

抄録(英語)

不思議音,集合住宅,衝撃音,建築設備,振動測定

2018年7月4日(新潟)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-31 【 PDF
鉄道高架下金属天井の列車騒音低減対策に関する検討事例
Case Studies on Train Noise Reduction Measeures of the Metal Ceiling at the Elevated Station
伊積 康彦1、橋場 諭2、櫻井 柚夏3
Yasuhiko Izumi1, Satoshi Hshiba2, Yuuka Sakurai3
1鉄道総合技術研究所, 2西日本旅客鉄道, 3東日本旅客鉄道
1Railway Technical Research Institute, 2West Japan Railway Company, 3East Japan Railway Comany
抄録

鉄道高架下のコンコースや切符売り場等では、列車走行時に大きな騒音が発生する場合がある。これらの騒音は、不快感、案内放送の明瞭度低下、切符売り場での音声によるコミュニケーション阻害の原因となり得るため、極力低減させることが望ましい。今回、高架下空間の天井から放射される列車騒音を対象として、防振ハンガー、防振パッキン、制振材を用いた対策効果に関する測定実験と実駅の金属天井に制振材を付加した場合の対策効果量を把握するための測定を実施する機会を得た。その結果、これらの対策により500~1kHz以上については一定の騒音低減効果が認められた。

抄録(英語)

高架下鉄道騒音,金属天井,列車騒音低減対策
N-2018-32 【 PDF
低周波音領域の音波加振による住宅の振動 ーその2スピーカ音源による結果一
Vibration of Houses By Low Frequency Sound Excitation -Part2 Result of Excitation by Speaker -
佐野 泰之1、中村 昇2、藤野 栄一3、杉本 健一4、宇京 斉一郎4
Yasuyuki SANO1, Noboru NAKAMURA2, Eiichi FUJINO3, Ken-ichi SUGIMOTO4, Seiichiro UKYO4
1愛知工大, 2秋田県立大, 3職業大, 4森林総研
1AIT, 2Akita Perf. Univ., 3Polytechnic Univ., 4FFPRI
抄録

前報に引き続き、低周波音領域の音圧加振により建物がどの程度揺れるかについての検討と音波加振による振動加速度を予測可能にするための検討を行う。本報では、音圧粒子の振動と床の振動加速度の関係と、振動により発生する放射音を計算し、これらの関連についての検討結果を示す。前報までは2棟の建物による検討であったが、本報では住宅2棟と実験床2床でも同様な実験を行ったため、これらを含め報告する。

抄録(英語)

木造,床振動,音波加振,低周波音領域,住宅振動,環境振動
N-2018-33 【 PDF
ロケットに起因する超低周波音とその長距離伝搬
Low frequency disaudible acoustic (Infrasound) signals excited by H-IIA Launch Vehicle and signal long distance propagation
村山 貴彦、岩國 真紀子
MURAYAMA Takahiko, IWAKUNI Makiko
日本気象協会
Japan Weather Association
抄録

大気中を物体が音速を超える速度で移動すると衝撃波が励起される。圧力変動の低周波成分は波長が長いため長距離を伝播し、微気圧計で観測される。包括的核実験禁止条約のもとで大気圏での核実験監視のために整備された千葉県いすみ市の微気圧振動観測施設において種子島宇宙センターから打ち上げられたH-1IAロケットの発射直後と、上昇中に分離された燃料タンクの落下に伴って生成されたと思われる超低周波音(インフラサウンド)が観測された。当日の気温・風向風速を考慮して推定した上空の音速構造をもとに計算した伝播経路推定結果からもシグナルが600~1000km離れた観測施設まで伝播しうる大気の状況であったことが確認された。

抄録(英語)

ロケット,超低周波音,インフラサウンド,長距離伝搬
N-2018-34 【 PDF
日欧の騒音伝搬モデルの特性に関する研究 ー厚みのある障壁を用いたASJRTN-Model 2013とHarmonoise工学モデルの比較ー
Comparative study on characteristics of Japanese and European noise propagation models: Comparisons between ASJ RTN-Model 2013 and Harmonoise using thick barriers
星川 亜都紗1、大嶋 拓也2
Azusa Hoshikawa1, Takuya Oshima2
1新潟大学大学院自然科学研究科, 2新潟大学工学部
1Guraduate School of Science and Technology, Niigata University, 2Faculty ofEngineering, Niigata University
抄録

近年,世界各国で騒音伝搬モデルが開発されており,モデル特性把握には単純ケースを用いたモデル間比較が有用であると考えられる。そこで,道路交通騒音を対象に日欧の騒音伝搬モデルを厚みのある障墜形状において対等比較した。音源の指向性に関して, ASJモデルの大型・小型車類,Hannonoiseの軽量車両では車両の飢後方向に対称で, Hannonoiseの重量車両では車両の前方に大きな指向特性が見られた。さらにHannonoiseでは音源指向性に関する補正に伴いパワースペクトルが変化し,補正の有無により減衰量に差が生じた。また, ASJモデルの方が音源指向性に関する補正の程度が大きく,Hannonoiseに比べて等価騒音レベル算出結果への影響が大きく見られた。

抄録(英語)

道路交通騒音,ASJRTN-Model 2013,Harmonoise,厚み障壁,音源指向性
N-2018-35 【 PDF
厚みのある障壁での回折計算の実用計算法に関する検討
Practical calculation method of noise reduction by thick barrier.
福島 昭則1、坂本 慎一2、安田 洋介3
FUKUSHIMA Akinori1, SAKAMOTO Shinichi2, YASUDA Yosuke3
1ニューズ環境設計, 2東京大学生産技術研究所, 3神奈川大学
1NEWS Environmenral Design, 2I.I.S. Univ. of Tokyo, 3Kanagawa Univ.
抄録

厚みのある障壁の挿入損失に関する実用計算法を,数値解析解をもとにモデル化した。最初に,波動解により開き角をもつウェッジの挿入損失を計算し,薄い障壁(ナイフウェッジ)の挿入損失との差を整理した。直角ウェッジとナイフウェッジの挿入損失の平均的なレベル差を求め,ナイフウェッジの挿入損失に関する実験式を修正して,直角ウェッジでの実用計算式を提案した。その計算式を用いて,道路交通騒音の予測モデルASJRTN-Model 2013の二回回折の計算モデルを参考に,厚みのある障壁での実用計算法を提案し, 3次元FDTD法による数値解析結果と比較し,妥当性を検討した。音源と予測点が厚みのある障壁の高さよりも低い場合には, ASJR1N-Model2013の計算法による計算値と提案する計算法による計算値は一致するが,音源あるいは予測点のいずれかが障壁よりも高い場合には最大で2.5 dBの違いが生じる場合がある。

抄録(英語)

騒音伝搬,直角ウェッジ,回折,数値解析,実用計算法

2018年8月6日(厚木)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-36 【 PDF
トンネル工事における発破音伝搬の抑制法
A method of suppressing blast sound propagation in tunnel construction
河井康人
Yasuhito Kawai
関西大学・環境都市工学部
Faculty of Environmental and Urban Engineering, Kansai University
抄録

音が伝搬する管内において.伝搬方向と直交する仕切板等で区切られた適切な大きさの複数の窪みの並びがある場合,仕切板娼部付近で窪みの開口面の法線方向に大きな粒子速度の領域が集中して現れる.このことは,仕切板と窪みによって伝搬方向と直交する振動速度成分を生み出すことができることを意昧しており.かつその大きさは窪みの寸法等にもよるが,管内伝搬音の5倍以上となることもある.この振動エネルギーが集中している領域付近に,適切な物理特性を有する通気性の薄い多孔質吸音層を設置することにより,吸音層の法線方向に振動する空気の粒子が吸音層を通過する時に.繊維の表面あるいは空隙壁との摩擦によって.音のエネルギー(空気粒子の振動)が熱エネルギーに変換されることで伝搬音を効果的に抑制できることが数値解析によって示される.

抄録(英語)

管内伝搬音,発破音,仕切板,吸音パネル,BEM
N-2018-37 【 PDF
シロッコファンの低速回転時における騒音発生メカニズムについて
Experimental Invesitigation of Generation Machanism of Tonal Noise Emitted from Sirocco Fan Unit Driving with Low Speed
市川 史弥1、北村 一起1、野呂 雄一1、風間 洋一郎2
Fumiya lchikawa1, Kazuki Kitamura1, Yuichi Noro1, Yoichiro Kazama2
1三重大学大学院工学研究科, 2銀河電機工業株式会社
1Garaduate School of Engineering, Mie University, 2Ginga Electric Co., Ltd.
抄録

住宅の断熱性や気密性が向上したことから常時換気システムの褥要が高まっており、厨房で使用されるレンジフードにも通常の調理時の換気モードに加えて低速運転させる常時換気モードを備えた機種が存在する。本報では、このようなレンジフードにおいて常時換気モード時に異音が発生する事例について、その発生原因を調査した結果を具体的な手法も含めて紹介する。本事例の場合、フード内のシロッコファンを駆動するDCブラシレスモータで発生するコギングトルクの周波数とファンブレードのねじり共振モードの周波数が一致し、共振を起こしたことが異音の発生原因であると特定できた。

抄録(英語)

シロッコファン,DCブラシレスモータ,コギングトルク,ねじり振動,共振
N-2018-38 【 PDF
車の接近音
Sound of Approaching Bycycle and Vehicle
久野和広
Kuno Kazuhiro
-
抄録

自転車や低速走行時における自動車の接近音について考察し、その気配を感じ、検知するのに必要な距離を算定した。危険防止の観点から接近する車のパワーレベルと暗騒音レベルとの係わりを論じた。

抄録(英語)

N-2018-39 【 PDF
音の識別とその手法について
Automatic Sound Recognition and Methods
中島 康貴、藤田 知穂、内藤 大介、砂子 学人、大島 俊也
Yasutaka Nakajima, Chiho Fujia, Taisuke Naito, Norihito Sunago, Toshiya Ohshima
リオン株式会社
RION Co., Ltd.
抄録

我々は普段、色々な音を耳にする。どんな音が聞こえるかを知ることは、その地点の騒音対策に役立つ。人の耳は音を識別することに非常に優れた能力を持つが、これを機械が自動で識別することは容易ではない。近年、騒音の常時監視装置のように長時間のデータを多点で測定するような事例が多くなってきている。しかし、多量の観測データをすべて人が聞き分けることは、非常に労力がかかり、また単純な繰り返し作業になることもあり、一定の水準で実施することは非常に難しい。ここでは、線形判別やディープニューラルネットワークを使った音の識別を試みた結果を報告する。

抄録(英語)

Noise,Sound,Recognition,Deep neural network
N-2018-40 【 PDF
風力発電施設から発生する周期性変動音の指向特性
Directivity of amplitude modulation sound generated from a wind turbine
岡田 恭明1、吉久 光一1、兵藤 伸也2
Yasuaki Okada1, Koichi Yoshihisa1, Shinya Hyodo2
1名城大学理工学部, 2オリエンタルコンサルタンツ
1Faculty of Science and Technology, Meijo Univ., 2Oriental Consultants Co., Ltd.
抄録

力発電施設から発生する騒音自体は他の音源に比べて低いものの,それに含まれる周期性変動成分が周辺地域で間題になる場合があると言われている。このような風車騒音特有の周期性変動成分(Amplitude Modulation) の水平方向に対する指向性分布を検討するため,風車周辺の多点で騒音の同時測定を長期にわたり実施した。その結果,周期性変動音成分は明確な指向性を有し,全体的にナセル後方で小さく,前方約60° 方向で強くなる傾向があることが示唆された。さらに,騒音レベルは伝搬距離と共に単調に低下していくものの,変動成分については数百メートル離れた点でもほぼ変わらないことなどを確認した。

抄録(英語)

風車騒音,周期性変動音,ロータ回転速度,騒音伝搬
N-2018-41 【 PDF
散乱反射法による高架裏面反射音の予測における条件設定に関する検討
Practical Calculation Conditions in Prediction of Reflected Road Vehicle Noise on Bottom of Elevated Road Structure by using Scattering Reflection Method.
福島 昭則1、一木 智之1、松本 敏雄2
FUKUSHIMA Akinori1, ITIKI Tomoyuki1, MATSUMOTO Toshio2
1ニューズ環境設計, 2小林理学研究所
1NEWS Environmenral Design, 2Kobayasi Institute of Physical Research.
抄録

平面道路上に高架道路が併設されているような二層道路における高架裏面反射音の予測方法として, Lambertの余弦則で高架裏面の反射特性を近似した散乱反射法がある。この基本式はエネルギー積分で表されるため,高架裏面について数値積分する必要がある。本稿では平面道路に遮音壁がない一般的な二層道路を仮定し,数値シミュレーションにより,高架裏面反射音の計算として考慮すべき音源範囲,数値積分における分割要素とその範囲について検討した。その結果,高架裏面反射音の計算で考慮すべき音源の範囲は直接音よりもかなり狭い範囲になること,数値積分での反射面の分割は高架道路高さの1/2以下の長さを一辺とする四角形で分割すればよいこと,考慮すべき反射面の範囲は高架道路の高さに関係することが分かった。平面道路端に遮音壁が設置された場合についても,遮音壁がない場合の音源や反射面の設定条件を踏まえて安全側の設定条件で計算すれば諒差は小さいことを確認した。

抄録(英語)

二層道路,高架裏面反射音,散乱反射法,数値積分

2018年10月9日(旭川)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-42 【 PDF
音聾管を用いたpuセンサの校正方法の検討
Calibration method of pu-sensor by use of impedance tube
杉江 聡1、平光 厚雄2、竹林 健一3、山内 崇4
Satoshi Sugi1, Atsuo Hiramitsu2, Kenichi Takebayashi3, Takashi Yamauchi4
1小林理学研究所, 2国土交通省国土技術政策総合研究所, 3鹿島建設技術研究所, 4戸田建設技術開発センター
1Kobayasi Institute of Physical Research, 2National Institute for Land and Infrastructure Management, 3Kajima Technical Research Institute, 4Research and Development Center, Toda Corp
抄録

100 Hz以下における粒子速度のS/Nの改善を目的に、吸音終端条件による校正方法を検討した。吸音終端条件と剛壁終端条件はほぼ同等の結果が得られたが、吸音終端条件の方が低域でメーカ校正値に近い値が得られる場合があった。また、感度および位相の校正値が、センサの個体の違いや実施日によって異なることを確認した。さらに、puセンサを用いた吸音率計測の場合、感度が数dBまたは位相補正が数度ずれたとしても計測結果に影薯を与える可能性を示した。したがって、精度の高い計測を行うためには、実際の計測から時間をおかずに校正値の計測を行う方がよいと考えられる。

抄録(英語)

puセンサ,粒子速度,音響管,校正,吸音率
N-2018-43 【 PDF
puセンサを用いた音響エネルギ密度計測とその応用例
Measurement of acoustic energy density and its application
竹林 健一1、杉江 聡2、平光 厚雄3、富来 礼次4、山内 崇5
Kenich Takebayashi1, Satoshi Sugie2, Atsuo Hiramitsu3, Reiji Tomiku4, Takashi Yamauchi5
1鹿島建設技術研究所, 2小林理学研究所, 3国土交通省国土技術政策総合研究所, 4大分大学工学部, 5戸田建設技術開発センター
1Kajima Technical Research Institute, 2Kobayasi Institute of Physical Research, 3National Institute of Land and Infrastructure Management, 4Faculty of Engineering, Oita University, 5Research and Development Center, Toda Corp.
抄録

音響エネルギ密度は定義上音聾的に剛な空間内では位置に依存しない. puセンサを用いて測定された矩形室内の音圧・粒子速度から,音響エネルギ密度の分布を求めた結果, 31.5 Hz帯域においては音圧及び粒子速度のみの分布よりもバラつきが少なくなることが分かった.また,建築物の空間性能評価に用いられている空気音遮断性能や床衝撃音遮断性能への適用を目的とし,実験室における界墜の遮音性能や床衝撃音レベル低減量の測定を実施した.結果,従来の音圧レベルから求めた値と概ね同様の傾向を示した.また,各測定点のバラつきは音響エネルギ密度レベルの方が小さいことから,測定点を減じることの可能性が示唆された.

抄録(英語)

puセンサ,音響エネルギ密度,分布,床衝撃音,遮音
N-2018-44 【 PDF
アンサンブル平均と音圧一粒子速度センサを用いた吸音特性測定の再現性
Reproducibility of sound absorption measurement method using ensemble averaging technique with a pressure-velocity sensor
大鶴 徹1、富来 礼次1、坂本 憲昭2、岡本 則子3
Toru Otsuru1, Reiji Tomiku1, Noriko Okamoto2, Noriaki Sakamoto3
1大分大学理工学部, 2大分大学大学院工学研究科, 3北九州大学国際環境工学部
1Architecture Course, Faculty of Science and Technology, Oita University, 2Graduate School of Engineering, Oita University, 3Department of Architecture, The University of Kitakyushu
抄録

従来より筆者らは、アンサンブル平均を用いる吸音測定法(EA法)を提案し、その有効性を示してきた。本稿ではまず、測定の彗本的メカニズムをより分かり易い形で再整理する。続いて、既報で報告した成果をもとに、最新の校正法を適用した音圧一粒子速度センサ(pu—センサ)を用いた場合の残響室におけるEA法の測定結果の再現性(Reproducibility)を示す。

抄録(英語)

N-2018-45 【 PDF
施工後数年が経過した一般道路における排水性舗装のパワーレベル調査
Study on sound power level of vehicles running on drainage asphalt pavements elapsed over several years
兵藤 伸也、吉田 元臣、長岡 宏典、飯森 英哲、行田 文香、椛島 司朗、植田 知孝、石川 賢一
Shinya Hyodo, Motoomi Yoshida, Hironori Nagaoka, Hideaki Iimori, Ayaka Gyota, Shirou Kabashima, Tomotaka Ueta, Kenichi Ishikawa
(株)オリエンタルコンサルタンツ
Oriental Consultants Co., Ltd
抄録

ASJRTN-Model 2013で提案されている排水性舗装のパワーレベルは, 2003~2008年に実施された自動車専用道路と一般道路での実測データに晶づいて構築されたものである。自動車専用道路での調査は,それ以降も継続的に行われているが,一般道路で測定した事例は殆ど無いのが現状である。そこで, 2011~2014年に施工された一般国道の排水性舗装(施工後の経過年数4.1~7.3年)を対象に,単独走行する自動車騒音のパワーレベルとパワースペクトルの測定を実施した。その結果,調査した3箇所とも排水性舗装による騒音低減効果は認められたものの,その程度は場所によって異なり,施工後7年目でもASJRTN-Modelのパワーレベルに比べて4dB程度低くなる場合もあることが確認された。

抄録(英語)

AS J RTN-Model,パワーレベル,パワースペクトル,騒音低減効果
N-2018-46 【 PDF
音の海上伝搬に及ぼす風の影聾に関する時間領域差分法を用いた数値解析
Numerical study on the effect of wind on sound propagation over sea surface by finite-difference time-domain method
横田 考俊1、牧野 康一1、山元 一平2
Takatoshi Yokota1, Koichi Makino1, lppei Yamamoto2
1小林理学研究所, 2防衛施設協会
1Kobayasi Institute of Physical Research, 2Defense Facilities Enviromnent Improvement Association
抄録

海上で発せられた音が陸上の受音点まで到達する屋外音響伝搬について予測するためには,波による凹凸を有する海面に沿った音の伝搬をモデル化することが重要となる。音の海上伝搬について,海面を音響的に剛で細かな凹凸を有するラフネス面と考え,時間領域差分法によりラフネス面上の伝搬特性を数値実験により検討した。解析では,ラフネス面による音波散乱の効果と波を引き起こす要因である風による音波の屈折効果の両効果を考慮した。解析結果に基づき海上伝搬の特徴を整理するとともに,有限インピーダンスを有する平坦面上の伝搬特性と比較することで,ラフネス面上の音波伝搬を平坦面上の音波伝搬に置き換えて効率的に予測を行う方法について,その適用性を検討した。

抄録(英語)

屋外音響伝搬,海上伝搬,ラフネス,気象影響,FDTD

2018年11月27日(福島)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-47 【 PDF
北陸新幹線鉄道沿線の居住環境に対する騒音と振動の影轡に関する検討
A study on the influence of noise and vibration on the living environment along the Hokuriku Shinl
森原 崇1、横島 潤紀2、松本 泰尚3
Talcashi Morihara1, Shigenori Yokoshima2, Yasunao Matsumoto3
1石川工業高等専門学校, 2神奈川県環境科学センター, 3埼玉大学
1National Institute ofTechonology, Ishikawa Colleg, 2Kanagawa Environmental Research Center, 3Saitama University
抄録

北睦新幹線鉄道が開通してから1年後に,金沢駅から富山県にかけて沿線の戸建て住宅を対象とした社会調査を行った。推計した騒音及び振動曝露量と社会反応の関係を探ることを本研究の日的とする。騒音のアノイアンスや一部の生活活動妨害に関しては,在来鉄道の並走していない地区及び,振動レベルが高い地区の反応が特に高い結果が示された。一方で,振動のアノイアンスに関しては在来線のない地区の反応は高いが,騒音レベルの大小による反応には違いはあまり見られなかった。住宅の満足度や地域の好感度には騒音レベルと在来線の有無は影響しなかったが,静けさの評価には影響しており,間接的な効果についても今後検討する必要がある。

抄録(英語)

北睦新幹線,社会調査,曝露―反応関係,騒音,振動
N-2018-48 【 PDF
欧州 WHO 環境騒音ガイドラインの概要
Summary of WHO Environmental Noise Guidelines for the European Region
田鎖 順太、松井 利仁
Junta Tagusari, Toshihito Matsui
北海道大学大学院工学研究院
Graduate School of Engineering, Hokkaido University
抄録

2018年10月, WHO欧州事務局は欧州地域を対象とした環境騒音ガイドラインを公布した.環境騒音は,健康影響リスクが生じる最も重要な環境要因のうちのひとつであり,重要な公衆衛生上の問題である.そのため,このガイドラインでは,環境騒音の曝露からヒトの健康を保護するための勧告の策定を目的とし,様々な音源より生じる環境騒音による健康影響に関し,最新の科学的知見に基づき量反応関係がまとめられ,勧告値が定められた.科学的知見やそれに基づく勧告は,欧州に限らず,あらゆる国や地域で普遍的に利用可能である.本報では,このガイドラインの概要を紹介するとともに,我が国の環境基準と比較する.

抄録(英語)

自動車騒音,航空機騒音,鉄道騒音,風車騒音,娯楽関連騒音
N-2018-49 【 PDF
自動車ドアミラー格納音の音質評価に関する国際比較検討
A Cross-Cultural S叫yon the Sound Quality Evaluation for Folding Sound of Automobile Door Mirror
山内 勝也1、川口 瑞季2、ペドロ・ポヴェダ=マルチネス3、ハイメ・ラミス=ソリアーノ3
Katsuya Yamauchi1, Mizuki Kawaguchi2, Pedro Poveda Martinez3, Jaime Ramis Sriano3
1九州大学大学院芸術工学研究院, 2九州大学芸術工学部, 3アリカンテ大学応用理工学研究所
1Faculty of Design, Kyushu University, 2School of Design, Kyushu University, 3Univesity of Alicante, Institute of Physics Applied to Sicences and Technologies
抄録

自動車の電動ドアミラー格納音を対象として,印象評価実験によってその音質の快適性について検討を行った。実験は日本と欧州で実施し,文化的背景に起因する評価の差異についても検討を行った。4種類の電動ドアミラー稼働音を半無薯室でバイノーラル録音したものを刺激として, 2種類の印象評価実験(一対比較法および順位付け法)を行った。実験の結果, ドアミラー格納音の音色としては,高周波数成分が少なく, roughnessの低いものが比較的好まれる傾向にあることが示された。また,格納音の始まりと終わりともに,その移り変わりが素早く明確である音の方が好まれると示唆された。日欧の比較から,日本の被験者群は音色に関して嗜好の偏りが少なく,音色より時間的な推移に印象が左右されやすいのに対して,欧州の被験者群は音色も大きな判断基準となっていることが示唆された。

抄録(英語)

自動車,電動ドアミラー格納音,音質評価,クロスカルチュラル
N-2018-50 【 PDF
サウンドウォークによる市街地の休息空間の評価
Evaluation of resting spaces in urban area using soundwalk
真鍋 智輝、永幡 幸司
Tomoki Manabe, Koji Nagahata
福島大学
Fukushima Univeristy
抄録

研究では,福島市中心市街地に設置されたベンチ周辺の音環境を評価対象とした,公共施設等の利用者が駅と施設の往復の際にベンチで休憩するというコンテクストでのサウンドウォークを行った。その結果,全ての評価対象地点で,自動車走行音は好ましくない音として挙げられた。また,評価地点の好ましさは,単純に当該地点の環境騒音レベルで決まるのではなく,その場で聞こえる音の種類や,周辺の交通量といった様々な要因によって決定づけられることが明らかとなった。

抄録(英語)

市街地,サウンドウォーク,ベンチ,ISO/fS12913-2
N-2018-51 【 PDF
音を切り口とした仙台市の取り組み「生物多様性保全推進事業~せんだい生きもの交響曲~」
An approach to enhance biodiversity conservation focused on the sounds of nature in Sendai City
今井はるか
Haruka lmai
仙台市環境局環境部環境共生課
City of Sendai, "Environmentally-friendly" Promotion Section, Environmental Department, Environment Bureau
抄録

仙台市環境局では、市民の自然や生きものへの関心・理解を深め、生物多様性の保全を図ることを目的とし、カジカガエルやカッコウ、スズムシなど、仙台にゆかりのある生きものが奏でる「音」をテーマにした啓発事業「生物多様性保全推進事業~せんだい生きもの交聾曲~」を行っている。
自然や生きものへの関心が低い方でも興味をもってもらえるよう、「音」を切り口として、多様な主体と連携し、地域の環境資源を活用した生きもの観察会やエコツアー、鳴き声のハイレゾ音源の配信など、これまでの取り組みについて紹介する。

抄録(英語)

仙台市,生物多様性,音,普及啓発,市民
N-2018-52 【 PDF
福島市の公害(騒音振動)苦情事例等について
Cases of noise pollution in Fukushima city
半澤 健一
Kenichi Hanzawa
福島市環境課
Fukushima Cityhall Environment Section
抄録

福島市は、福島盆地に開けた自然豊かな住みやずい街です。過去、健康被害の生じる大きな公害は有りませんでしたが、年間50~70件程度の公害苦情相談が寄せられています。そのうち、騒音や振動による公害苦情が3~5割を占めていますが、そのほとんどが、法規制の及ばない「都市生活型公害」です。当市における法規制の及ばない都市生活型公害と言われる現在の苦情の傾向、解決手法などを紹介します。

抄録(英語)

都市生活型公害,公害苦情相談,規制基準,騒音・振動

2018年12月12日(福岡)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2018-53 【 PDF
自動車室内の左右耳位置での音質の違いが聴取印象に与える影聾
Impression of Vehicle Interior Noise due to the Difference in Frequency Characteristics at Left and Right Ear Position
佐々木 祥太1、山内 勝也2
Shota Sasaki1, Katsuya Yamauchi2
1九州大学大学院芸術工学府, 2九州大学大学院芸術工学研究院
1Graduate School of Design, Kyushu University, 2Faculty of Design, Kyushu University
抄録

走行中の自動車室内において,頭部付近で観測される音圧分布は左右非対称であり,左右耳位置で観測される周波数特性も異なる。本研究ではこの特徴に着目し,片耳側のみlkHz以上の帯域成分を増幅・抑制した場合に聴取印象に及ぼす変化を検討した。実験の結果,大きさの評価では片耳側のlkHz以上の帯域成分をより抑制することで, binaural loudness summationを用いた左右のOverall (OA)合成値ではほぼ差がないにも関わらず,より小さい印象を持つことが分かった。静粛性の評価は大きさの評価と相関が高く,違和感の評価では左右のOA合成値が高い車種では片耳側のlkHz以上の帯域成分を抑制することによる違和感は生じないことがわかった。

抄録(英語)

自動車室内,音質,OA値,左右耳位置,binaural loudness summation
N-2018-54 【 PDF
1日を対象とした実住宅の振動応答物理量と居住者の振動感覚評価に関する検討
Study on Vibration Response Physical Quantity and Vibration Sensory Evaluation by Residents for One Day in Real Houses
後藤 佑太、井上 勝夫、冨田 隆太
Yuta Goto, Katsuo Inoue, Ryuta Tomita
日本大学
Nihon University
抄録

2018年11月に「建築物の振動に関する居住性能評価規準・同解説」が改訂されたが、評価尺度については、未だ実験室における短時間実験をよりどころとして作成されており、生活実感とは異なるものと考えられる。本研究の目的は、実際の住宅を対象とした居住者の環境振動に関する評価尺度や評価規準を提案し作成することである。そのため、生活の中における振動感覚を評価していく場合には、長期間に及ぶ振動暴露状態をもとに検討を行う必要がある。本報では、まず基礎的検討として、居住者による1日の振動評価と1日連続して測定した板動応答量の対応性について検討を行った結果を報告する。

抄録(英語)

環境振動,振動評価,24時間振動測定,暴露量,振動知覚閾値
N-2018-55 【 PDF
走行中の列車内における高周波音の計測と聴取による実態調査
Auditory evaluation on high-frequency noise and observation in passing train
花崎 俊介1、廣江 正明2、上田 麻理1
Shunsuke HANAZAKI1, Masaaki HIROE2, Mari UEDA1
1神奈川工料大学, 2(一財)小林理学研究所
1Kanagawa Institute ofTechnology, 2Kobayasi lnsitute of Physical Research
抄録

研究では,列車から発生する高周波音に着目し,列車内の高周波音の発生状況のための列車内における高周波音の曝露実態調査を行った。さらに,高周波音の聴こえの状態を明らかにするために,大学生を対象とした高周波純音可聴域の計測及び,列車内での聴感実験を行った。その結果,対象とした私鉄沿線の特にカーブから18kHzから20kHz近傍の高周波音が複数観測された。また,閾値測定において高周波帯域の試験音が聞こえた場合には列車尉においても高周波音を,知覚していることが分かった。

抄録(英語)

高周波音,列車内,大学生,走行音,高周波純音可聴域
N-2018-56 【 PDF
施工状態を想定した材料に対するアンサンブル平均を用いた吸音特性測定法の適用
Application of sound absorption measurement method by ensemble averaging technique to materials assuming construction conditions
岡本 則子1、大鶴 徹2、富来 礼次2
Noriko Okamoto1, Torn Otsuru2, Reiji Tomiku2
1北九州市立大学国際環境工学部, 2大分大学理工学部
1Faculty of Environmental Engineering, The University of Kitakyush, 2Faculty of Science and Technology, Oita University
抄録

筆者らの提案するアンサンブル平均を用いる材料の吸音特性測定法(EA法)を,施工状態を想定した多層材料の測定へ適用した.背後空気層の厚さ,試料背後の裏打ち材の厚さ・裏打ち材の有無・裏打ち材の設置位置といった背後構造の異なる材料や,クロス貼りや塗料の塗布といった表面仕上げの異なる材料に着目した検討を行った.それらの結果,材料の構成の違いがEA法による測定値にも現れており,多層の材料に対するEA法の適用性が示された.

抄録(英語)

建築材料,吸音特性,in-situ測定,施工状態
N-2018-57 【 PDF
管路系消音器構造の適用によるトンネル発破音の抑制
Application of silencer mechanism for broadband control of tunnel blasting noise
森下 達哉1、高山 峻2、吉岡 清3、前田 幸男3
Tatsuya MORISHITA1, Shun TAKAYAMA2, Kiyoshi YOSHIOKA3, Sachio MAEDA3
1東悔大学, 2東海大学大学院, 3佐藤工業(株)
1Tokai Univ., 2Graduate School, Tokai Univ. 3Sato Kogyo Co., Ltd.
抄録

における発破音対策効果の広帯域化のため, トンネル内に管路系消音器構造を適用するとともにその設計を可能にすることを目的としている。覆エコンクリート打ち込み作業用セントルに隔壁と挿入管を追加することによって挿入管付拡張室構造をトンネル内に設置する。上記構造について等価回路解析を行い,拡張室型消音器の特長である比較的広帯域における減音効果および,挿入管周囲の空間での共鳴周波数における減音効果が得られることを示した。計算モデルと同様の装置を用いた実験では,解析同様の結果が得られており,計算結果の妥当性が確認できた。

抄録(英語)

発破音,トンネル,管路,消音器,挿入損失
N-2018-58 【 PDF
鉄道高架橋防音壁を対象とした有限要素法による騒音低減評価
Noise Reduction Estimation for Noise Barrier on Railway Viaduct using FEM Acoustic Analysis
佐藤 大悟12、, 尾本 章3
Daigo Sato12, Akira Omoto3
1公益財団法人鉄道総合技術研究所, 2九州大学大学院芸術工学府. 3九州大学大学院芸術工学研究院
1Railway Technical Research Institute, 2Graduate School of Design, Kyushu University. 3Faculty of Design, Kyushu University
抄録

鉄道高架橋を対象とした数値解析による騒音低減評価では、十分な厚さを有するコンクリート製防音壁等は剛壁として扱われることが多い。一方、透明樹脂板等を遮音板として用いて防音壁を嵩上げする場合、その遮音性能は剛壁に満たない場合があり、評価の精度向上のため遮音性能を適切に反映することが望ましい。そこで、本研究では有限要素法を用いた音響解析により、遮音板の遮音性能について、平面波を仮定した複素音速と遮音板の透過損失の関係を媒質内部での減衰として扱い、高架橋外の音圧レベル分布へ与える影響を評価した。

抄録(英語)

鉄道騒音,有限要素法,複素音速,透過損失,無限要素