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2017年1月20日(神戸)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
豪雨が音の伝搬特性および屋外騒音の物理特性に及ぼす影響 実測調査による基礎的検討
Effects of Heavy Rain on Characteristics of Sound Propagation and Outdoor Noise: A Fundamental Study Based on Field Measurements
佐藤逸人、森本政之、栗栖清浩、前田充紀
Hayato SATO、Masayuki MORIMOTO、Kiyohiro KURISU、Mitsuki MAEDA
神戸大学大学院工学研究科 株式会社小野音響事務所 TOA株式会社 神戸大学大学院工学研究科
Grad. Sch. of Eng. Kobe Univ. 、ONO Acoustic Design & Entertainment、Inc.、 TOA Corporation、 Grad. Sch. of Eng. Kobe Univ.
抄録
本研究では、屋外拡声システムの音声了解度を環境変化に適応して補償する技術を開発するための基礎的検討として、豪雨相当の降雨環境下における屋外音響伝搬特性及び降雨時の屋外騒音の物理特性を実測した。屋外音響伝搬特性については、大型降雨実験施設における実測実験から、観測史上最高の瞬間降雨強度相当の条件下においても、屋外音響伝搬特性が降雨が無い場合とほぼ変わらないことを確認した。屋外騒音の物理特性については、4地点で降雨強度と屋外騒音の長期実測を行ない、降雨強度が強くなると特に高周波数帯域において Leqが大きく上昇するが、その特徴は測定点によって異なり、降雨が無い条件の Leqの強さ、地面の被覆状況、自動車走行音の影響が見られることを明らかにした。
防災行政無線,屋外拡声システム,ゲリラ豪雨,音響伝搬特性,屋外騒音
通気性膜吸音体アレイの吸音特性に関する有限要素解析
Finite element analysis of absorption characteristics of permeable membrane absorbers array
上西宏治1奥園健1阪上公博1
Koji Uenishi1 Takeshi Okuzono1 Kimihiro Sakagami1
1神戸大学大学院工学研究科建築学専攻、
1Department of Architecture、Graduate School of Engineering、Kobe University
抄録
異なる背後空気層深さを持つ通気性膜吸音体アレイ (AR) の吸音特性と、その吸音メカニズムについて有限要素解析 (FEM) を用いて検討する.ARの吸音特性を検討するにあたって、単一通気性膜吸音体 (SG)、その背後にハニカムを付加した吸音体 (HC) の吸音特性を理論および数値解析を用いて計算し、相互に比較することで ARの広帯域に高い吸音率を保持するという吸音特性を示す.また、その吸音メカニズムについて、ARを構成する個々の吸音体(ARsg)が AR全体の吸音に果たす役割と、膜の物性値である面密度と流れ抵抗値が、吸音体表面の粒子速度分布と吸音体近傍の音響インテンシティ分布に与える影響を明らかにする.結果として、膜の物性値が比較的小さい時、吸音体表面上でのインピーダンスの不連続による過剰吸音が生じ、各 ARsgで狭帯域に高い吸音を示すこと、などを示した.
INCE/J RTV-MODEL 2003予測法の 盛土・切土道路への拡張に関する検討報告
Research Report on Expansion ofINCE/J RTV-MODEL 2003 to Prediction Method including Banl(ed Road and Cut Road
国松直、北村泰寿、内田季延、平尾善裕
Sunao Kunimatsu Yasutoshi Kitamura Hidenobu Uchida Yoshihiro Hirao
産業技術総合研究所 建設工学研究所 飛島建設株式会社 小林理学研究所
AIST、 Cnstr. Eng. Res. Inst. Foundation、 Tobishima Corp.、 Kobayasi Inst. Phys. Res.
抄録
日本騒音制御工学会の2009年の春季研究発表会において、環境アセスに用いる平面追路に対する予測法 RTV-MODEL2003を盛土・切土道路へ拡張した予測法が提案されたが、実測による検証がなされないまま今日に至っている.このため、同学会道路交通振動予測式作成分科会では数値シミュレーションを活用して盛土・切土道路への拡張を検討してきた.その考え方は、まずシミュレーションにより平面道路に対してその予測法(以下、RTV-2003)の適合性を調べ、同じシミュレーションという場で盛土・切土道路への拡張予測法の適合性を調べるものである.本報告では 2.5次元解析を適用し、盛土道路では境界・薄層要素法のハイブリッド法、切土・掘割道路では境界要素怯を用いた.
環境アセス,盛土・切土道路,振動予測法,2.5Dシミュレーション
騒音伝搬の減衰量の周波数特性を用いたインパルス応答の算出に関する基礎検討
Calculation for impulse response of noise propagarion in outdoor using attenuation characteristics
福島昭則
FUKUSHIMA Akinori
ニューズ環境設計
NEWS Envirorunenral Design Inc
抄録
騒音伝搬におけるスペクトルの変化を、因果性フィルタを通過したときの信号の変化と考えると、因果性システムでは減衰量と位相量の間に Hilbert変換の関係が成り立つので、減衰量の周波数特性から位相量の周波数特性が算出できる。これに着日して、騒音伝搬における減衰量からインパルス応答を算出することを試みた。韮本ケースとして半無限障壁での回折を扱った。また発展ケースとして、平坦な地表面上に遮音壁が設置されたケースを扱った。半無限障壁や剛な地面上に遮音壁が設置された場合には減衰量から算出したインパルス応答と波動解によるインパルス応答はよく一致した。一方、有限インピーダンスの地表面上に遮音壁が設置された場合について、地表面の球面波入射反射係数を平面波入射の反射係数で代用して計算したが、減衰量から算出したインパルス応答と波動解によるインパルス応答には違いがみられた。
騒音伝搬,減衰特性,因果性フィルタ,インパルス応答
2017年2月17日(熊本)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
交通振動に対する量反応関係 :日本国内における社会調査の二次分析
Dose-response relationships of transportation vibrationsations – Secondary anlysis of social surveys in Japan
横島潤紀、森原崇、佐野泰之、松本泰尚
Shigenori YOKOSHIMA Takashi Morihara Yasuyuki SANO Yasunao Matsumoto
神奈川県環境科学センター 石川工業高等専門学校 愛知工業大学 埼玉大学
Kanagawa Environmental Research Center、National Institute of Technology、Ishikawa College、 Aichi Institute of Technology、Saitama University
抄録
住民の生活環境を保全するため、振動規制法は、道路交通振動に係る行政措置の判断基準として要請限度が規定している。また、新幹線鉄道振動については、環境庁長官から運輸大臣宛に勧告が行われており、この中で対策指針が示されている。これらの要請限度や対策指針の数値は、住民を対象とした社会調査に基づき設定されたものである。しかしながら、設定から既に 40 年が経過し、住民の環境に対する意識も変化していることに加え、近年は住民の振動感覚との乖離が指摘されている。本研究では、振動政策の一助と資するために、実環境で居住する人々の振動に対する反応について、既往の社会調査で得られたデータを再分析し、地盤における振動量と住民反応との関係を検討する。さらに、振動に対するアノイアンスに着目し、騒音からの影響を明らかにする。これらの分析を踏まえて、ロジスティック回帰分析により、交通振動の量反応関係を構築する。
交通振動,評価指標,量反応関係,騒音,ロジスティック回帰分析
北陸新幹線鉄道沿線の居住者を対象とした開通 1年後の社会調査
Social survey conducted one year after opening along the Hokuriku Shinkansen railway
森原崇1、横島潤紀2、松本泰尚3
Takashi MORIHARA、Shigenori YOKOSHIMA、Yasunao MATSUMOTO
1 石川工業高等専門学校、2 神奈川県環境科学センター、3 埼玉大学
National Institute of Technology、Ishikawa College、Kanagawa Environmental Research Center、Saitama University
抄録
北陸新幹線鉄道が開通して約 1年が経過した段階で石川県及び富山県の一部の沿線地区を対象に居住環境に関する社会調査を実施した。 1、980件に郵送配布し、1、025件の回答(回収率 51.8%) を得た。男女比は半々であるが、戸建て住宅の居住者を対象としたためか、50代以上の回答が 8割を占めている。住宅の窓ガラスの仕様に築年数による違いが見られ、住宅の満足度や地域の好感度は良い側の回答が悪い側を上回る結果を得た。音源から住宅までの距離と騒音及び振動のアノイアンスとの関係を検討し、騒音の方が振動よりも評価が高いこと、石川県よりも富山県の反応の方が 100m以内の範囲において高いことが示された。
北睦新幹線鉄道,生活環境,アンケート調査,集計結果
ICBEN 5 段階と 11 段階尺度による アノイアンス反応の異なる言語での比較
Relation between ICBEN 5-point and 11-point annoyance scales in different languages
ThuLanNguyen1、矢野隆1、森原崇2、横島潤紀3、森長誠4
Thu Lan NGUYEN1、Takashi YANO1、Takashi MORIHARA2、Shigenori YOKOSHIMA3、Makoto MORINAGA4
熊本大学1、石川工業高等専門学校2、神奈川県環境科学センター3、防衛施設協会4
Kumamoto University 1、Ishikawa National College of Technology 2、Kanagawa Environmental Research Center 3、Defense Facilities Environment Improvement Association 4
抄録
ICBEN によって提案されている 5 段階の言語尺度と 11段階の数値尺度の両方を用いて行われた日本とベトナムでの15の環境騒音に関する社会調査データを用いて、5 段階尺度と 11 段階尺度の各カテゴリーの対応関係を検討した。日本語の場合、5 段階尺度と11 段階尺度の最上位のカテゴリーには、それぞれ 11 段階尺度と 5段階尺度の最上位のカテゴリーが卓越的に対応したが、ベトナム語の場合、5 段階尺度と 11 段階尺度の最上位のカテゴリーには、それぞれ 11 段階尺度と 5 段階尺度の上位の2カテゴリーが対応した。また、11 段階尺度の上位 3 カテゴリーを high annoyance とするロジスティック回帰曲線は Miedema と Vos による2 次曲線はよく一致したが、5 段階尺度の上位 2 段階を high annoyance とするロジスティック回帰曲線とは乖離していた。
ICBEN annoyance scales、,community response,Vietnamese,Japanese
平面道路に面する地域における戸建て住宅群による道路交通騒音減衰量の予測法 –点音源モデルの簡易予測式 F2012の計算省略化–
Prediction of insertion loss of detached houses against road traffic noise based on a point sound source model – Saving computation of F2012∗-
穴井謙1、藤本一寿2
Ken Anai、Kazutoshi Fujimoto
1九州工業大学 大学院工学研究院 2九州大学名誉教授
Faculty of Engineering、Kyushu Institute of Technology、 Professor Emeritus of Kyushu University
抄録
環境省「騒音に係る環境基準」の評価に適用することを目標に、筆者らは “点音源モデルに基づく戸建て住宅群による道路交通騒音減衰量の予測法F2012” を提案し、さらに、F2012 の煩雑な計算を簡略化した簡易式 F2012∗ を示した。F2012∗ は F2012 に比べると計算はかなり簡略化されているが、「騒音に係る環境基準」の評価を行う場合には騒音予測点数が膨大になるため、騒音推計の計算量をより一層小さくすることが望まれる。そこで本報告では、F2012∗ の計算省略化について検討し、騒音減衰量の予測誤差が 0.5 dB を超えない条件を満たしながら計算量を低減する方法を提示した。
駅構内等における高周波音の観測事例 その2 一聴感実験と列車内での観測ー
Investigation of very-high-frequency noise in our environment - Part2 Auditory evaluation on very-high-frequency noise and observation in passing train -
廣江正明1、上田麻理2、尾崎徹哉3
Masaaki HIROE 1、Mari UEDA2、Tetsuya OZAKI3
1(一財)小林理学研究所、2九州大学、3リオン株式会社
1Kobayasi Insitute of Physical Research、2Kyusyu Unversity、3RION Co.、Ltd
抄録
駅ホームで40歳代以下の成人9名を対象とした「高周波音」を含む列車走行音の聴感実験を行った。その結果、「高周波音」に顕著な差がある場合、総合的不快感・心理影響・生理影響のすべての評価項目で「高周波音」のレベルが高い方が評価も高いことが分かった。さらに、列車内で「高周波音」の曝露状況を調査し、若齢者が十分に知覚可能な「高周波音」を観測したが、車内聴感実験から「高周波音」の聴き取りを検証するまでには至らなかった。
高周波音,鉄道,駅ホーム,車内,聴感実験
2017年3月7日(国分寺)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
大気の温度勾配を考慮した長距離音波伝搬解析
Numerical Analysis of Long Range Sound Wave Propagation in Atmosphere with Temperature Gradient
土屋隆生1金森正史2
Takao Tsuchiya、Masashi Kanamori
1同志社大学理工学部 2宇宙航空研究開発機構航空技術部門数値解析技術研究ユニット
Faculty of Science and Engineering、Doshisha University、Japan Aerospace Exploration Agency、Chofu Aerospace Center
抄録
本報告は、超音速旅客機などの超高速移動体から発せられるソニックブームの伝搬を想定して、温度勾配を有する大気中を長距離伝搬する音波の 2次元数値解析を目的としている。ソニックブームは非線形音波であるため、本来なら非線形音場解析が必要となるが、本報告では温度勾配に起因した音速勾配の効果のみに着目するため線形解析とした。長距離の音波伝搬を扱うため、計算手法として数値分散誤差が小さい CE-FDTD法を用いた。また、移動音源の表現には、クロスフェード法を採用した。解析例として標準大気を想定した数値実験を行った結果静止音源に対しては音線の湾曲によるシャドウゾーンの生成が確認された。また移動音源によるドップラー効果や伝搬特性の変化を確認した。温度勾配がある場合に音源が高速に移動すると、シャドウゾーンが変化する可能性が示唆された。
CE-FDTD法,長距離音波伝搬,大気温度分布,高速移動音源,ソニックブーム
19 kHzの音はどれくらいの成人が聴き取れる? ー産業機器に対する高周波音の計測と聴感評価—
How many adults can hear the sound of around 19 kHz? Measurement of high-frequency sounds radiated from industrial equipments and auditory evaluation
上田麻理1廣江正明2小松謙之3植村拓朗4
Mari UEDA Masaaki HIROE Noriyuki KOMATSU Takuro UEMURA
1九州大学、2小林理研 (株)、3(株)CIC、 4ブリュエルケアージャパン、
Faculty of Design、Kyushu University、 Kobayasi Insitute of Physical Research、CIC Civil International Corporation、Bruel & Kjaer Division of Spectris Co.、Ltd. Japan
抄録
本研究では、高周波音の聴こえの状態を明らかにするために、成人 51名を対象として 19kHz近傍にピークを持つ鼠撃退器の聴感評価実験及び、作業空間の音場計測を行った.その結果、最も音圧レベルの低い約 108dB(SPL)の条件下においても成人回答者の 50%が発生音を“よく聴こえる”と回答した.さらに 40~70歳代の回答者においても 34%が“よく聴こえる”と回答した.発生音の心理的印象は、「不快な」や「うるさい」、「大きい」等の得点が高く、音圧レベルがより高い場合に「耳が痛い」をはじめとする生理影曹に関する得点が上昇することが確認された.
高周波音,聴感評価,音場計測,19kHz
環境騒音に関するアノイアンス、苦情、対処の関係
Relation among annoyance、compaint、and coping due to environmental noise
矢野隆1、横島潤紀2、森長誠3
Takashi Yano 1、Shigenori Yokoshima 2、and Makoto Morinaga 3
熊本大学 1、神奈川県 2、防衛施設協会 3
Kumamoto University 1、Kanagawa Prefecture 2、and Defence Facilities Environment Improvement Association 3
抄録
日本騒音制御工学会社会調査データアーカイブに収納されている環境騒音に関する社会調査データを用いて、それぞれの騒音に関してアノイアンスと苦清・対処の関係および騒音暴露量とアノイアンス・苦情・対処の関係を検討した。アノイアンスのレベルが増すと、苦清や対処の割合は増加するが、その傾向は騒音源によって異なる。暴露量と苦情・対処との関係では、風車騒音、道路交通騒音、在来鉄道騒音、新幹線騒音では騒音暴露量と苦清を考慮する割合の関係が最も高いが、航空機騒音では騒音レベルが高くなると、対処の割合が苦情の割合よりも顕著に高い。このことは住宅の防音工事の助成制度によるものと思われる。
annoyance,complaint,coping, environmental noise
各種交通騒音の基準値算出道筋と基準値の提案 2003-2006年環境省交通騒音影響調査のロジスティック回帰による再分析
Proposal of standard of traffic noise exposure -Logistic regression reanalizing of the Ministry of the Enviromnent 2003-2006 survey
田村明弘、横島潤紀
Akihiro TAMURA Shigenori YOKOSHIMA
横浜国立大学、神奈川県環境科学センター
Yokohama National University、Kanagawa Enviromnental Research Center
抄録
環境省が実施した騒音影響社会調査の中で、 2003年から 2006年に同一の調査用紙、調査方法で実施された横断研究データセットをロジスティック回帰により再分析した。道路、在来線、新幹線、航空機、軍用航空機をそれぞれ想定主音源とする騒音地区及び静穏地区を含む。対象データは、5343人(騒音地区 5193+静穏地区 150)である。音環境の良さをアウトカムに静穏地区と道路騒音地区を比較し、その良さが有意に低下する道路騒音レベルを算出する。次にそのレベルと比較し騒音負荷が、曝露と影薯の因果関係有無の判断基準の一つである関連の強固性を認める水準に達する騒音レベルを騒音の晶準と捉える。道路で Ldn56dB、在来線で緩やか、航空機で同程度、新幹線で厳しい基準、特に軍用航空機では一段と厳しい晶準となる。
静穏地区,交通騒音地区,ロジスティック回帰分析,オッズ比2,騒音基準
環境騒音雑観(Ⅰ) ─ エネルギー消費と環境騒音 ─
Macroscopic Approach on Environmental Noise (Ⅰ) -Energy Consumption and Environmental Noise-
久野和宏、龍田建次1
Kuno Kazuhiro、TATSUTA Kenji
1愛知学泉大学
1Aichi Gakusen university
抄録
国の年間エネルギー消費と人工から環境騒音を巨視的に推定する方法を示した。そして我が国における戦後の経済成長に伴うエネルギー消費の増大と環境騒音の変遷との関連について考察した。
2017年5月12日(名古屋)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
長スパン木造建築物の振動伝搬性状─ その2建物内加振実験と人体感覚 ─
Vibration Propagation on a Long Span Floor Made by Timber Structure -Part2. Vibration Responce and Sensation of Excitation on a Floor.
佐野泰之1、中村昇2、杉本健一3、宇京斉一郎3、藤野栄一4、鎌田貴久5
Yasuyuki SANO1、Noboru NAKAMURA2、Ken-ichi SUGIMOTO3、Seiichiro UKYO3、 Eiichi FUJINO4、 Takahisa KAMADA5
1愛知工大、2秋田県立大、3森林総研、4職業大、5日本大
1AIT、2Akita Perf. Univ. 、3FFPRI 、4Polytechnic Univ.、5Nihon Univ.
抄録
報では、長スパン木造床の振動の測定で、人荷重の有無により、振動応答に差が生じることなどを明らかにした。本報では前報から3棟のデータを追加した結果について報告する。調査の際には、調査員が被験者となり、実際に歩行振動などどのように感じるがアンケートを行っている。木造の建物は、RC床と比較し剛性が小さいことから、測定評価する際の位罹により結果が異なる可能性が高い。本報では、これらについても検討する。
木造,床振動,振動測定,人荷重,測定評価,振動伝搬
試験車両を用いた路面人工段差走行実験によるS造2階建て事務所建築の振動特性に関する検討
A Study on the Vibration Characteristics of 2-Story Steel-Framed Office Building Based on a Running Experiment on an Artificial Step of the Road Surface Using a Test Car
石田理永1、安藤孝久2、磯部 徹2
Riei ISHIDA1、Takahisa ANDO2、Tooru ISOBE2
1石田振動環境研究室、2株式会社中央クリエイト
1Ishida Vibration Environm Research Laboratory、2Chuo-Create Co.、Ltd.
抄録
平面道路の路面に局部段差が存在する場合の車両走行時の周辺地盤と建物の振動特性把握のため、S造2階建て建物の前面道路上の4箇所に人工段差(両輪の下)を移動させながら設置し、4t(2t水槽×2個を積載)の試験車両を用いた人工段差走行実験を行った。振動測定の結果より、地盤上・建物内の水平振動(道路平行・道路直交方向) においては、各地点のスペクトル形状は人工段差位置の違いで複雑に変化しており、人工段差と各地点との位置関係のみでなく、道路舗装構造・建物基礎等の影響を大きく受けていると推察された。また、建物躯体の水平方向および床の鉛直方向の固有振動数帯域においては、建物近傍地盤において僅かでも成分を有していれば建物内で大きく振動増幅していることが分かった。
道路交通振動,局部段差位置,水平振動,距離減衰,建物内振動増幅
一般道を走行する自動車の音響パワーレベル─ 密粒及びコンクリート舗装における測定データの比較 ─
Experimental study on the sound power level of common vehicles running on dense asphalt and concrete pavements
植村友昭1、岡田恭明2、古久光一2
Tomoaki Uemura1、Yasuaki Okada2、Koichi Yoshihisa2
1鴻池組技研/名城大院、2名城大学理工学部
1RIT、Konoike Co. Ltd 、2Faculty of Sci. and Tech.、Meijo Univ.
抄録
一般道路を走行するガソリンエンジン車(乗用、小型貨物、中型及び大型車)やハイブリッド自動車などを対象に、それら走行音のA特性音響パワーレベルLWAの測定を愛知県内21箇所のアスファルト舗装道路にて行った。実測したLWAは測定箇所(路面)によって5~8dB程度の有意な差異がみられ、ASJRTN-Modelで提案されているLWAと比較した場合、乗用車については1dB程度低いものの、その他の車種では違いは確認できなかった。またハイブリッド自動車のLWAは、走行速度約40km/h以上の場合には、ガソリンエンジン車のそれとほぼ同様であった。さらに、7箇所のコンクリート舗装で測定したLWAは、アスファルト舗装のそれに比べて2dB程度高くなる傾向がみられた。
パワーレベル式,ASJRTN-Model,舗装路面,車種分類
プリンタ動作音の印象尺度値と物理評価指標の関係について—非線形な要素を取り入れた指標の検討—
The Relationship between Psychological Scale Values and Physical Indexes of Printer Operational Sound – A Study on Indexes Includinga Nonlinear Fact
北村一起1、高須淳1、野呂雄一1、竹尾隆1
Kazuki Kitamura、Jun Ttakasu、Yuichi Noro、Takashi Takeo
1三重大学大学院工学研究科
1Garaduate School of Engineering、Mie University
抄録
筆者らはこれまでインクジェット方式のプリンタについて動作音の印象評価に有効な音の物理的評価指標の探索を行ってきた。その中で桑野らが提案するComfort Indexに変動強度を加えた指標が音の印象と比較的良い対応を示すことを既に報告しているが、先行研究で用いられたプリンタの機種数が少なく、指標の有効性を強く主張することが難しい状況にあった。そこで、本研究では動作音を16機種まで増やした試聴実験を行い、得られた印象尺度値と LaesやCIなどの音の物理的指標との対応関係を改めて確認することにした。また、非線形な要素を取り入れた指標についても検討した。
プリンタ動作音,印象評価,Comfort Index,シャープネス,変動強度
プリンタ動作音の印象尺度値と物理評価指標の関係について—物理評価量を変化させた試験音の追加—
The Relationship between Psychological Scale Values and Physical Indexesof Printer Operational Sound – Difference by Calculation Method of Physical Indexe
市川史弥1、高須淳1、野呂雄一1、竹尾隆1
Fumiya Ichikawa、Jun Ttakasu、Yuichi Noro、Takashi Takeo
1三重大学大学院工学研究科
1Garaduate School of Engineering、Mie University
抄録
筆者らは従来より、インクジェット方式のプリンタ動作音に対する不快感に関わる印象と、桑野らの提案するComfort Indexに変動強度を加えた指標との対応関係が比較的高いことを報告している。また、この指標の算出に用いられるのと同じ3つの音の物理的評価指標(等価騒音レベル、シャープネス、変動強度) を用いた他の評価式についても複数検討している。しかしながら規格によって算出方法が厳密に定義されている等価騒音レベルとは異なり、変動強度の算出値は動作音を分析する手法(分析ソフト)により値に差が生ずることがある。本論文ではその差がこれまでの筆者らによる検討内容に及ぼす影響について調査する。
プリンタ動作音,印象評価,Comfort Index,シャープネス,変動強度
環境騒音雑観(II)─ 車社会と環境騒音 ─
Macroscopic Approach on Environmental Noise (II)-Vehicles and Environmental Noise-
久野和宏、龍田建次1
Kuna Kazuhiro、Tatsuda Kenji1
1愛知学泉大
1Aichi Gakusen University
抄録
地域の交通量を基に環境騒音を推定する方法を示すとともに、我が国における車社会の進展(車両保有台数の増加)と環境騒音の変遷との関わりについて概観する。
2017年6月9日(駒場)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
2.5次元数値解析を用いた在来鉄道騒音の伝搬解析一高架鉄道への適用事例と模型実験による検証一
2. 5-dimensional numerical analysis for propagation of conventional railway noise -Applications to elevated railway and verification by scale model experiments -
廣江正明1、石川聡史2
Masaaki Hiroe1、Satoshi Jshikawa2
1(一財)小林理学研究所、2ジェイアール東日本コンサルタンツ(株)/東大・新領域
1Kobcyasi Institute of Physical Research 、2JR East Consultants Co /Graduate School of Frontier Sciences、The University of Tokyo
抄録
架鉄道を対象に、ケーススタディとして、2。5次元数値解析を用いて片側防音壁及び両側防音壁の設置条件に対する車両下部音の伝搬解析を行った。(片側)防音壁と列車間の多重反射による騒音増加量は前川チャートによる低減効果を基準として評価し、遠隔側防音壁からの反射音による騒音増加量は両側防音壁と片側防音壁とのレベル差で評価した。その結果、列車と同等以下の高さまでは多重反射音は壁高さに比例して増加する傾向があり、かつ遠隔側防音壁の影響は小さいこと、防音壁が列車高さを超えると、前者の多重反射音は減少傾向に転じ、遠隔側防音壁から反射音により著しく騒音が増加することが確認された。高さ5mの防音壁の場合、遠隔側防音壁からの反射音による影響で騒音が著しく増加した結果、鉄道軌道よりも高い範囲の騒音が防音壁を設置しない条件と同程度になることが分かった。
車両下部騒音,防音壁,減効果,2.5次元解析,模型実験
変則的な二重回折音場の数値解析と実用計算モデルの検討
Numerical analysis of diffraction sound field around anomalous double bariers and considerration of practical calculation model
福島昭則、ー木智之
FUKUSHIMA Akinori、TIKI Tomoyuki
ニューズ環境設計
NEWS Envirorunenral Design Inc.
抄録
エッジが平行でないような変則的な二枚の半無限遮音壁の配置等における遮音壁背後の回折音場について3次元のFDTD法により数値解析を行い、応答音圧波形とスペクトルを求めた。現在の二重回折の騒音予測モデルを踏まえて、変則的な二枚の遮音壁配置における計算モデルを提案し、数値解析結果と比較することにより計算モデルの妥当性を示した。さらに道路交通騒音を想定して、二枚の有限長遮音壁が一部重複して設置された場合の回折音場について数値解析を行い、音源の移動による応答音圧波形の変化を把握した。その結果を賠まえて、騒音予測の計算モデルを検討し、妥当性と課趙について考察した。
騒音伝搬,二重回折,数値解析,計算モデル
厚みのある障壁による回折音場の実用計算方法に関する検討
A study on practical calculation method of diffraction field around thick barrier
坂本慎一1、安田洋介2、福島昭貝3
Tomoaki Uemura1、Yasuaki Okada2、Koichi Yoshihisa2
1東京大学生産技術研究所、2神奈川大学工学部、3(株)ニューズ環境設計
1Institute oflndustrial Science、The University of Tokyo、2Faculty of Engineering、Kanagawa University、3NEWS Environmental Design Inc.
抄録
道路交通騒音の予測計算法ASJRTN-Model 2013には、厚みのある障壁による回折補正鼠を前川チャートの実験式に基づいて計算する方法が示されている。この計算方法の妥当性に関して3次元音場における検証を行った。具体的には、2。5次元FDTD法および高速多重極BEMによる波動数値解析結果を検証用データとして用い、ASJRTN-Modelに示された計算法による結果と比較した。本報告は受音点から音源を見通せない条件に限られるが、ASJRTN-Modelによる計算結果は多少のばらつきがあるものの波動数値解析結果と概ね一致すること、さらに細かく見ると、多少(平均して0。5 dB程度)であるがASJRTN-Modelによる予測計算結果は安全側の評価となっていること等が確認された。
ASJ RTN-Mod,厚み障壁,伝搬計算法,FMBEM,FDTD法
風車騒音に含まれる純音成分が及ぼす心理的影響に関する聴感実験
Subjective experiments on the perception of tonal component(s) contained in wind turbine noise
横山栄1、小林知尋1、橘秀樹2
Sakae Yokoyama1、Tomohiro Kobayashi2、Hideki Tachibana2
1一般財団法人小林理学研究所、2東京大学名誉教授
1 Kobayasi Institute of Physical Research、2 Professor Emeritus、The Univ. of Tokyo
抄録
力発電施設から発せられる騒音のアノイアンスを増加させる原因として、振幅変調成分や純音成分が挙げられる。振幅変調音の定量的評価方法については検討が行われてきているが、純音成分の評価に関しては諸外国では検討例があるものの、我が国ではこれまでほとんど検討されてきていない。そこで本研究では、環境省戦略指定研究「(S2-11)風力発電等による低周波音の人への影響評価に関する研究(平成22年度~24年度)」で得られた実測データを用いて風車騒音に含まれる純音成分の特徴量を調べ、その結果に晶づき、風車騒音に含まれる純音成分の可聴性およびうるささ(アノイアンス)について、実験室実験によって検討を行った。
:風車騒音,純音成分,心理的影轡,実験室実験
ヘッドホンおよびヘッドマウントディスプレイを用いた音・視環境提示手法の提案
Development of a simulation system of the audiovisual environment using the headphone and head mount display
朝倉巧1、辻村壮平2、米村美紀3、李孝珍3、坂本慎一3
T.Asakura1、T. Sohei2、M. Yonemura3、、L. Hyojin3、S. Sakamoto3
1東京理科大学、2茨城大学、3東京大学生産技術研究所
1Tokyo University of Science、2lbaraki University、3nstitute oflndustrial Science、The University of Tolcyo
抄録
市の音環境を評価するため、さまざまな環境下で収録した音データを実験室内で再生し、その主観的印象について調査した研究事例が多数報告されている。これらの事例では、音データのみを提示した主観評価実験をベースとした研究事例が多くみられるが、視覚的情報が音の印象評価に対して影聾を与えている可能性も示唆されている。本報では、近年普及しつつあるヘッドマウントディスプレイおよびヘッドホンから構成される音・視環境提示手法を構築し、これを応用した都市環境音の評価実験について述べる。都市環境音の評価実験では、自動車、鉄道、航空機飛行音を含む交通騒音、および森、滝、河川を含む自然音を対象として、視覚情報の有/無がラウドネス、アノイアンス記両結果へ与える影響について考察する。
視覚・聴覚刺激,バイノーラル再生,ヘッドマウントディスプレイ,主観評価実験,ラウドネス,アノイアンス
2017年7月5日(国立)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
粒子速度計測による鋼鉄道橋の制振対策効果の評価に関する検討
An examination to estimate noise reduction of damping treatment for steel bridge of railway by using particle velocity sensor
廣江正町1、谷口望2
Masaaki Hiroe1、Nozomi Taniguchi2
1(一財)小林理学研究所、2前橋工科大学
1Kobcyasi Institute of Physical Research、2 Maebashi Institute of Technology
抄録
Microflown社製の粒子速度計を用いて振動体近傍で直接粒子速度を計測することで、振動に伴う放射音の低減効果を評価した。平板試験体を用いた晶礎実験から、振動速度と粒子速度による評価で制振材料の優劣が異なる場合があることを確認した。同じ制振材を用いた実鉄道橋における対策効果の確認測定でも、振動速度と放射音の評価が異なる結果となった。
粒子速度,振動速度,放射音,制振対策,低減効果
鉄道沿線において建物群がある条件下での騒音予測
Prediction of insertion loss of the detached houses for railway noise
澤村陽一、北川敏樹、小方幸恵
Yoichi SAWAMURA、Toshiki KITAGAWA、Yukie OGATA
鉄道総研
Railway Technical Research Institute
抄録
研究は、鉄道騒音に対して建物群が与える影響を評価するものである。建物群が単発騒音暴露レベルに与える影聾を調査するために、新幹線沿線で現地試験を行った。次に、建物群がある条件下で在来鉄道および新幹線沿線での騒音を面的に予測し、その結果を評価した。鉄道騒音の予測には在来線・新幹線の騒音予測法を採用し、建物群の影聾評価には道路交通騒音の予測モデルであるASJ RTN-Model2013を採用した。その結果、ASJ RTN-Model 2013の適用範囲内では概ね適切に予測ができるものの、適用範囲外では予測諒差が大きくなる傾向にあることが分かった。
騒音予測,新幹線騒音,在来線騒音,超過減衰,モデル化
鉄道車両の吊り床の開発
Development of suspended floor structure
後藤友伯1、山本克也、朝比奈峰之、橋本克史2、今岡憲彦
Tomonori GOT01、Katsuya YAMAMOTO、Mineyuki ASAHINA Katsufumi HASHIMOT02、Norihiko IMAOIKA
1鉄道総合技術研究所車両振動、2株式会社総合車両製作所
1 Vehicle Noise & Vibration Lab.、Railway Technical Research Institute 、2apan Transport Engineering Company
抄録
年の鉄道車両の高速化、軽量化により車内騒音が増大する可能性がある。高速化により車輪の転動音が増大し、振動が台車、けん引リンク、車体を経由して客室の床板へ伝搬することで固体伝搬音が発生している。さらにこの固体伝搬音は数百Hzの低周波音成分を多く含むため、吸音材などの軽量な材料で低減させることが困難であった。そこで、本研究では客室の床板からの固体伝搬音を低減させる目的で、床板を車体側面(側構体)から吊り下げる「吊り床構造」を考案し、試験車体に試作して加振試験を行って床板の振動低減効果を確認した。結果、床板から放射される固体伝搬音が約10 dB低減し、また左右方向の低周波振動も概ね低減することを確認した。
鉄道車両,車内騒音,振動,床構造,吊り床構造
新幹線パンタグラフの空力音低減に関する研究状況
Studies on aerodynamic noise reduction of a pantograph
光用剛1、池田充1、末木健之1、臼田隆之1、佐藤祐一2、深潟康二3、若林雄介4
Takeshi MITSUMOJI1、Mitsuru lKEDA1、Takeshi SUEKI1、Takayuki USUDA1、Yuichi SATO2、Koji FUKAGATA 3、Yusuke WAKABAYASHI 4
1公益財団法人鉄道総合技術研究所、2元 公益財団法人鉄道総合技術研究所、3慶應義塾大学、4東日本旅客鉄道株式会社
1Railway Technical Research Institute、2Railway Technical Research Institute(Former) 、3East Japan Railway Company
抄録
幹線の更なる高速化において、パンタグラフから放射される空力音の低減が重要な課題となっている。本発表では、新幹線パンタグラフの開発の歴史を概説したうえで、パンタグラフの空力音低減に関する鉄道総研における最近の研究状況について報告する。具体的な研究内容としては、舟体・舟支え部を対象とした形状改良による空力音低減、部材の表面性状を変更することで空力音を低減する手法として研究を進めている多孔質材の適用、および、流れ場を能動的に制御する手法として研究を進めている流れ場制御の適用のの3点について報告する。
パンタグラフ,最適化手法,多孔質材,流れ場制御
鉄道騒音に関する各国の基準・ガイドライン
Standards and guidelines for railway noise in each country of the world
橘秀樹
Hideki Tachibana
東京大学名誉教授
Professor Emeritus、、The University of Tokyo
抄録
道は重要な交通・運輸機関の一つであり、日常生活の上でも欠かせないが、世界共通の間題として列車走行による騒音・振動が沿線地域で大きな環境間題となっている。日本では、1964年に東海道新幹線が開通したが、予想外の騒音・振動が大きな間題となり、その緩和を目的として昭和50年に新幹線鉄道騒音に係る環境基準が制定されたが、その後、列車本数の増大など状況に大きな変化があり、その見直しが必要となっている。在来線については、平成7年に在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針が設定されているが、一般の在来鉄道については韮準等が全くない状況である。今後、これらの間題を検討していくための参考資料として、枇界各国における鉄道騒音に係る韮準やガイドラインの調査を行ったので、その概要を述べる。
鉄道騒音,新幹線鉄道,在来鉄道,環境見準,騒音評価量
2017年8月9日(神田)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
自然風の中での低周波音の測定
Low Frequency Sound Measurement in Natural Wind
志村正幸1、野村卓史2、長船寿一3、上明戸昇1、長谷部寛2、岩吹啓史3
Masayuki SHIMURA 1、Takashi Nomura2、Toshikazu OSAFUNE 3、Noboru KAMIAKITO 1、Hiroshi HASEBE2、Hiroshi IWABUKI3
1(株建設環境研究所、2日本大学理工学部、3(株高速道路総合技術研究所
1Civil Engineering & Eco-Technolog Consultant、2Department of Civil Engineering、Nihon University 、3Nippon Expressway Research Institute
抄録
低周波音源としては高架橋を始め、風力発電施設・ダムの放流音•発破・砲撃音・航空機•新幹線トンネル・コンプレッサー・大型ファン•その他、多くの音源が指摘されており、これらの音源を対象に屋外での測定は日常的に実施されている。しかし、自然風の乱れに起因する風ノイズ(変動風圧)に対しては、防風スクリーンの使用があたりまえになっているが、低周波音成分については効果が曖昧であり、防風スクリーンの性能規定・試験法も無いのが現状である。筆者らは風洞実験やフィールド実験に基づき、低周波マイクロフォンが自然風の変動風圧にどのように応答するのかを調べ、風速の観測結果から風ノイズをリアルタイムで推計する手法を提案した。また、その手法を組み込んだ風ノイズレベル計を開発し、実用に供している。
低周波音測定,風ノイズ,風ノイズレベル推計
建物からの風切り音検討事例
Case Study on Wind Noide from Buildings
鈴木雅靖、高久勝彦
Masayasu SUZUKI、Katsuhiko TAKAKU
鹿島技術研究所
Kajiam Technical Research Institute
抄録
風が吹くと建物から音が発生する風切り音(風鳴り、風騒音とも呼ばれる)は、昔から苦情原因の一つであり、集合住宅等のベランダ手摺からの風切り音は良く知られている。高層建物からの風切り音の苦情が顕在化した2000年頃から、発音懸念部位に対して、風洞実験により事前検討を行い、必要に応じて部材の形状変更等の対策をするようになってきている。本報告では、風洞実験による風切り音の検討方法や、代表的な検討事例を示すと共に、発音した場合の評価・判断の現状と騒音としての課題について示す。
建物,外装材,風切り音,空力音,振動音
礼拝堂の音響測定
Acoustic Measurement for a Chapel
岡崎道成、永井篤、藤田知穂、米元雄一、内藤大介、岡本伸久
M. Okazaki、A. Nagai、C. Fujita、Y. Yonemoto、T. Naito、N. Okamoto
リオン株式会社
RION Co.、Ltd.
抄録
キリスト教会での礼拝は、日常の間騒から離れて神と対峙しようとする宗教的行為であるため、礼拝堂内は静寂であることが望ましい。さらに、室内音響的には、牧師の説教には明瞭性、会衆讃美には豊かな響きという相反する性能が要求される。交通量の多い道路に面した都内の教会が、全面改築にあたって、種々の制約の中でこれらの性能要求を満たすことを日指し、設計によって音響的課題の解決を図った。この礼拝堂について、遮音性能、残響時間等の音響測定を行ったので報告する。
キリスト教,礼拝堂,道路交通騒音,遮音性能,残響時間
プラントの騒音制御
NOISE CONTROL OF OIL AND GAS PLANTS
高橋聖子
Satoko TAKAHASHI
日揮株式会社
JGC Corporation
抄録
海外プラントの騒音制御は、国際規格、建設地の法律、条令を参考にして設計を行う必要がある。また数多くの音源、広大な敷地やプラント外部への音の伝搬を計算する必要があり、設計と実測値の差異、時には音源近傍で130dB(A)を超える高騒音をどう取り扱うか等課題も多い。本報では、各国の条例・晶準、プラントの騒音対策の進め方、騒音シミュレーション、スタートアップ後の測定、トラプル事例等について幅広くプラントの騒音制御について紹介したい。
国際基準・法規・条例,ALARP,シミュレーション,トラブル事例
木造床振動測定時の人荷重の影聾ー振動ピックアップと在室者の配置について一
Influence of human load on floor vibration measurement in wood structure house : The positional relationship of the vibration piclrup and human
神谷俊行1、小谷朋央貴2、佐野泰之3、冨田隆太4、平光厚雄5
Toshiyuki KAMIYA1、Tomooki KOTANI2、Yasuyuki SANO3、Ryuta TOMITA4、Atsuo HIRAMITSU5
1ベネック振動音響研究所、2フジタ、3愛知工業大学、4日本大学、5国土技術政策総合研究所
1Benec Vibration and Sound Institute Inc. 、2Fujita Corporation、3Aichi Institute of Technolog、4Nihon University、5National Institute for Land and Infrastructure Management
抄録
日本建築学会環境振動運営委員会傘下の環境振動測定小委員会では、木造家屋内における振動の計測データの蓄積を目的とし、外部振動源に対する実測調査を行い、結果について報告した。実測調査では、鉄道振動を外部振動源とした木造家屋内の測定と同時に人が実際に測定点近傍に座り、振動を体感する調査を行った。その結果、在室者の有無において計測する鉛直方向の振動に影曹する可能性が示唆された。本報では、床衝撃音の分野で用いられる標準重量衝撃源の衝撃振動を外部振動源として更なる実測調査を行い、測定点を配置した室内における在室者の有無及び在室者の配置、在室者の人数による影曹について振動特性の比較検討を行う。
木造家屋,振動加速度レベル,振動ピックアップ,在室者の配置
プリンタ動作音の印象尺度値と物理評価指標の関係について—物理評価量を変化させた試験音の追加—
The Relationship between Psychological Scale Values and Physical Indexes of Printer Operational Sound -Addition of test sounds which physical indexes are modified-
北村一起、市川史弥、野呂雄—、竹尾隆
Kazuki Kitamur、FumiyaIchikawa、Yuichi Noro、Takashi Takeo
三重大学大学院工学研究科
Garaduate School of Engineering、Mie University
抄録
筆者らはこれまでインクジェット方式のプリンタについて動作音の印象評価に有効な音の物理的評価指標の探索を行ってきた。前報では16種類の動作音に対し試聴実験を行い、得られた印象尺度値と音の物理的指標との対応関係を確認するとともにLAeq、シャープネス、変動強度から求めることのできる非線形な要素を取り入れた新たな指標についても検討した。ただし、実験に用いた試験音のシャープネスと変動強度の分布には偏りがあり、新たな指標の有効性をさらに確認するには、この偏りを解消する必要があった。そこで、本研究ではFFTフィルタを用いて主に試験音のシャープネスを変化させた試験音を追加し試聴実験を行なった。
プリンタ動作音,印象評価,Comfort Index,シャープネス,変動強度
2017年10月30日(西早稲田)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
無響室における768kHz/32bit超高解像音響測定のための音場環境評価
Evaluation of Sound Field Environment for 768 kHz/ 32-bit Super High Resolution Acoustic Measurernent in Anechoic Chan1ber
馬込智瑛1、荻野秀哉2、真鍋友花2、大久保寛2
Tomoaki MAGOME1、Shuya OGINO2、Yuka MANABE2、Kan OKUBO2
1首都大学東京システムデザイン学部情報通信システムコース、2首都大学東京大学院システムデザイン研究科情報通信システム学域
1Bachelor of System Design、Tokyo Met.Univ.、2Graduate School of System Design、Tokyo Met.Univ.
抄録
近年の情報通信技術の進展に伴い、録音再生の技術は飛躍的に向上している。2010年代初頭より、いわゆる「ハイレゾ」が市場に登場し、一般に普及しつつある現状である。すなわち、録音再生技術の向上により、これまで視えていなかった音響倍号成分が明らかになり、人間の可聴不可能な周波数帯域であるがゆえに、これまであまり深く議論がされてこなかった20kHz以上の音響信号についても利用が進むだろう。本研究では768kHz/32bitの超高解像音響測定システムについて評価実験を行い、観測される音場環境の評価結果を報告している。768kHz/32bitの高サンプリング・高ビット深度の計測によって、無響音室内で測定されるノイズフロアが低減することが明らかとなり、音響的に雑音の少ない環境下における超高解像測定の利用は有効であることがわかった。一方、低ノイズフロアを実現することで、電子機器を要因とする雑音成分を測定してしまうことも懸念される。本報告では、その一例としてインバータが原因と思われる信号について検討し、その結果を示している。
可聴域外の雑音,インバータ雑音,無響室、超高解像音響計測システム、,ンプリング周波数,ビット深度,768kHz/32bitシステム
偏光高速度干渉計を用いた音場イメージング計測法の原理と応用
Sound field imaging using high-speed polarization interferometry: principles and applications
石川憲治1、谷川理佐子1、矢田部浩平1、及川靖広1、大沼隼志2、丹羽隼人2
Kenji Ishikawa1、Risako Tanigawa1、Kohei Yatabe1、Yasuhiro Oikawa1、Takashi Onuma2、Hayato Niwa2
1早稲田大学基幹理工学部表現工学科、2(株)フォトロン
1 Department of Intermedia Art and Science、W aseda University、2Photron limited
抄録
光を用いた音場計測法は非接触かつ高い空間分解能で計測ができるため、音場の可視化に有効である。我々が近年提案している偏光高速度干渉計は、偏光高速度カメラと並列位相シフト干渉法を組み合わせ計測器であり、可聴音場および数十kHzの超音波音場を瞬時・定量かつ高いフレームレートで2次元計測することができる。本稿では、偏光高速度干渉計を用いた音場計測の原理、基礎実験による特性評価、およびいくつかの応用例について記す。
抄録(英語)
As optical methods for sound measurement are capable of measuring a sound field in contactless manner with high-spatial resolution、these are effective for sound field imaging. We have proposed the high-speed polarization interferometry which consists of a high-speed polarization camera and parallel phase-shifting method. The proposed method can be applicable to audible sound fields and ultrasonic sound fields whose frequencies are several tens of kiloheltz. This paper describes the principles and characteristics of the proposed method、and a few applications of it.
音場の可視化,音魯光学効果,偏光高速度カメラ,位相シフト干渉法
Vis叫izationof sound field,Acousto-optic effect,High-speed polarization camera,phase-shifting interferometry
集束超音波探触子の焦点位置と周波数評価
Focal Point and Frequency Evaluation of Ultrasonic Probe
田中雄介、阿部晃、北田純一、小倉幸夫
Yuusuke Tanaka、Akira Abe、Junnichi Kitada、Yukio Ogura
ジャパンプロープ株式会社
Japan Probe Co.、Ltd.
抄録
束超音波探触子の焦点位置が直接波とエッジ波で形成されることを述べた。音聾レンズ、凹型振動子の集束超音波探触子の両方で評価を行い、焦点形成が同じ理屈で発生することを確かめた。開口角により直接波、エッジ波の影聾度合いが変化し、闇口角が小さいとエッジ波の影響が大きくなる。エッジ波は波長の影聾を受けるので開口角が小さいと焦点位置に周波数の影響が発生する。周波数をFFTによる周波数A、周期の逆数による周波数Bに分けて考え、波長の評価は周波数Bで行うことが適切と述べた。開口角が小さい場合シミュレーション、実験で焦点位置が異なったが、周波数Bを合わせると焦点位置が合った。
超音波,エッジ波,開口角,波長,周波数
ステレオ動両像と気球型無人航空機システムを用いた音と映像の環境地図作成
Creation of environmental map for sound and image by using stereo movie image and blimp robot.
齊籐良二1、池田雄介2、及川靖広1
Saitou Ryouzi1、Ikeda Yusuke2、Oikawa Yasuhiro1
1早稲田大学基幹理工学部表現工学科、2東京電機大学大学院未来科学研究科
1Department of lntermedia Art and Science、Waseda University、2 School of Science and Technology for Future Life、Tokyo Denki University
抄録
騒音間題を解決する手がかりとして、騒音を可視化することは重要である。しかし、都市部や高層ビル周辺における騒音計測を実施することは、高層になるにつれ観測点が多くなる、地上からの高さ、ビルからの距離を正確に計測する必要がありコストや手間がかかるなどの間題がある。我々は、空中の騒音を可視化する目的で小型無人飛行船を用いた騒音可視化システムを提案してきた。本研究では、既存の研究にSimultaneouslocalization and mappingの技術を導入し、都市部や高層ビル周辺における騒音の可視化を目的としたシステムを作成した。これにより、空間の形状把握と自己位置推定を利用した空間の三次元モデルに対して音情報をマッピングすることが可能となった。
抄録(英語)
The visualization of noise plays an important role in the task of resolving noise-related problems. The task of noise measurement in urban areas with high-rise buildings presents a challenge because the number of observation points increases as the height rises. There is also a need in accurate measurement of height from the ground and distance between the measurement point and a building. In the previous research、we proposed a noise mapping system with an aerial blimp robot. In this paper、we developed a noise visualization and spatial mapping system、which introduces techniques of simultaneous localization and mapping for a blimp robot. This system allows to simultaneously measure the shape of a room、measurement positions and sound information.
バルーン,騒音計測,騒音マップ,SLAM,ステレオカメラ
Balloon,Noise measurement,Noise map,SLAM,Stereo camera
VR技術を用いた騒音評価システム
Noise Evaluation System based on VR Technology
谷川将規1、樫山和男2
Masaki TANIGAWA1、kazuo KASHIYAMA2
1清水建設株式会社技術研究所、2中央大学理工学部都市環境学科
1Institute of technology、Shimzu Corporation、2 Department of Civil Engineering、Chuo University
抄録
論文は、VR技術とAmbisonicsによる立体音響技術により実現した騒音評価システムについて述べる。本システムは道路交通騒音や工事騒音などの屋外騒音間題を対象とし、騒音予測計算結果を直ちに可視化・可聴化できることを特徴とする。移動音源を含む種々の騒音源に対応し、受音点位置における音波の到来方向や到達遅れ時間を考慮して効率的かつ高速な音響計算を行う。また再現性向上のため、自動車走行音などの可聴化用の音源信号は実測データをもとに生成している。本論文では、本騒音評価システムの概要、騒音予測精度ならびに立体音響手法の妥当性に関する検討結果を報告する。
騒音予測,騒音評価,VR技術,立体音聾,Ambisonics
光学透過型ヘッドマウントディスプレイによる三次元音聾インテンシティ可視化システム
Three-Dimensional Sound Intensity Visualization System Using Optical See-Through Head Mounted Display.
井上敦登1、池田雄介2、矢田部浩平1、及川靖広1
Atsuto Inoue1、Yusuke Iked2、Kohei Yatabe1、Y asuhiro Oikawa1
1早稲田大学基幹理工学部表現工学科、2東京電機大学大学院未来科学研究科
1Department of Intermedia Art and Science、Waseda University 、2 School of Science and Technology for Future Life、Tokyo Denki University
抄録
音場の可視化ではカメラ映像に音情報を重畳する手法が多く用いられるが、平面ディスプレイでは三次元音場情報の奥行き表現が困難である。そこで、ビデオ透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とマーカ画像認識により、立体的な音場情報を多視点から観測するシステムを提案した。しかし、ビデオカメラ設定の影聾による不自然な視覚情報や、オクルージョンや視点位置の検出の不正確さによって正確な可視化が行える状況が限られることが課題であった。そこで、光学透過型HMDと空間認識センサによるシステムを新たに提案した。ビデオ透過型システムよりも自然な視覚情報と、広範囲の視点移動とオクルージョンを考慮した可視化を実現した。本稿では、両システムの詳細を紹介し、三次元音響インテンシティ分布の可視化例から光学透過型システムの有効性を示す。
抄録(英語)
For visualizing sound field、one popular method is to superimpose the sound information onto a camera view. However、a planer display cannot represent the depth information. Therefore、we proposed a three-dimensional (3D) sound field visualization system with the video see-through head mounted display (HMD) and marker detection technology. Although this system realizes the stereoscopic vision and multi-view observation、observer's view may not be natural due to the video camera configuration and/or the accuracy limitation of detecting occlusion and viewpoint. To solve these problems、we also proposed 3D sound field visualization system using optical see-through HMD and spatial detection technology. In this paper、we explain the detail of both systems、and experiments show the effectiveness of the optical see-through HMD system.
手持ち4点マイクロホン,空間認識センサ,拡張現実感(AR),複合現実感(MR)
Handy type four-point microphone,Spatial detection,Augmented reality,Mixed Reality
2017年11月28日(京都)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
鉄鋼系プレハブ住宅における床衝撃音対策
The countermeasures for floor impact sound in steel-frame prefabricated housing
永松英夫
Hideo Nagamatsu
積水ハウス株式会社 総合住宅研究所
Sekisui House Co.Ltd. Comprehensive Housing R&D Institute
抄録
鉄鋼系プレハブ住宅の床衝撃音対策として有効な手法について整理す る。 RC造に比べて床重量を大きくできないこと、乾式工法を主工法とすること から軽量床パネルによる遮音対策が従来検討されてきた。鉄鋼系プレハブ住宅で 床衝撃音対策を行う場合には ALC床パネル仕様が一般的である。しかし、さら なる遮音性能向上のために様々な取り組みが行われるようになり、構成部材の重 量増加のみならず各種防振技術が導入されるようになっている。高遮音床の一例 として積水ハウスが採用している高遮音床システム『SHAIDD』の紹介から、今 後の高遮音化の方向性を解説する。
プレハブ住宅,重量床衝撃音,軽量床衝撃音,床衝撃音レベル分布,動吸振器
CLTパネルを用いた床および壁の遮音性能に関する実験
Experimental Study on Sound Insulation Performance of Floors and Walls using CLT Panels
笠井祐輔1、村上剛士1、田中学1、河合誠2
Yusuke Kasai1、Tsuyoshi Murakami1、Manabu Tanaka1、Makoto Kawai2
1日本建築総合試験所、2日本CLT協会
1General Building Research Corporation of Japan、2Japan Cross Laminated Timber Association
抄録
CLTパネルは RC造による床・壁と比較すると比重が小さい。 このため、 CLTパネルを建築物に使う際には、遮音性能の確保が課題になると 考えられる。筆者らはこれまで、 CLTパネルを用いた床や壁の遮音性能を把握 するため実験室での遮音性能測定を行い、パネル単休素版での遮音性能水準と ともに、床に床仕上げ材や二重天井を付加した場合、および、壁にせっこうボ ードふかし壁や CLTパネルニ重壁を付加した場合の床衝撃音遮断性能・空気音 遮断性能への対策効果を明らかにしてきた[ll~[5]。本稿では、一連の実験で得ら れた結果より、 CLTパネルを用いた床・壁の遮音性能の傾向について報告する。
CLT,床衝撃音,音脚透過損失,実験室
戸建て住宅における環境振動現象の特徴とその設計
Characteristics of the phenomenon against environmental vibration and its design in detached houses
東田豊彦
Toyohiko HIGASHIDA
積水ハウス
SEKISUI HOUSE
抄録
戸建て住宅の環境振動による居住性を損なう休感振動の発生は、多く発生して いると推察できるが、その実態は明らかになっていない。そして、その特徴も 十分把握されていない。本報では休感振動を発生する戸建て住宅のデータを基 にその環境振動現象について、振動発生源別による特徴、建物の振動特性の特 徴をまとめた。さらに振動発生を抑制することを日指す環境振動設計に向けた 対応方法及びその課題について示し、その中で戸建て住宅に効果的である複数 の錘を持つ動吸振器「マルチTMD」について紹介する。
環境振動,戸建て住宅,道路交通,振動特性,動吸振器
街路環境における望ましさの評価構造についての検討
A study on the evaluation structure of the desirability of street enviromnent
青野正二1、乾将晃2
Shoji Aono1、Masaaki Inui2
1大阪大学大学院人間科学研究科、2日本システム技術株式会社
1Graduate School of Human Sciences、Osaka Univ、2Japan System Techniques Co、Ltd.
抄録
歩行者の経路選択には街路環境が関与しており、望ましい街路環 境は歩行経路として選択される可能性が高いと考えられる。本研究では歩行 経路選択における街路環境の望ましさを規定する要因について、階層的な評価 構造のモデル化を試みた。まず評価グリッド法による実験から、街路環境の 望ましさを規定する評価項目を抽出し、評価構造の概念図を求めた。続いて、各評価項目で構成した SD尺度を用いて、街路環境の評定実験を行った。その結 果を基にグラフィカルモデリングおよび共分散構造分析を行い、評価構造のパ スモデルを求めたところ、主に安心感や歩きやすさを生じさせる要素が歩行 時の経路選択において、大きな要因となっていることが示唆された。また、音 響学的観点では、静けさにかかわる要素の重要性もみられた。
街路環境,望ましさ,評価構造,グラフィカルモデリング,共分散構造分析
自動車騒音雑観
Study on Vehicle Noise
久野和宏
Kuno Kazuhiro
-
抄録
自動車騒音の単体規制の推移、大型と小型車のパワーレベル、自動車社会とエネルギー消費、について概観し、それらの背景を考える。
2017年12月12日(国分寺)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>
地震計と微気圧計の同時観測 ─ 揺れとそれによって生じる微気圧振動との関係 ─
Simultaneous observation of earthquakes by co-located seismometer and barometer -the relation between building moving and excited infrasound
岩國真紀子1乙津孝之1、新井伸夫2、本橋昌志1、野上麻美1、村山貴彦1
IWAKUNI Makiko1、OTSU Takayulci1、ARAI Nobuo2、MOTOHASHI Masashi1、NOGAMIMami1、MURAYAMATakahiko1
1日本気象協会、2名古屋大学減災連携研究センター
1Japan Weather Association、2Nagoya University Disaster Mitigation Research Center
抄録
地震動による鉛直振動が音波を励起すると考えられ、気圧計等 で観測されてきた。近年では地震動によって励起された微気圧振動波から観測 点周辺の地盤特性の違いを議論しうる可能性が報告されている。津波検知の研 究のために岩手県大船渡市の 3ヶ所の中学校の建物内に設置された微気圧アレ イ観測点でしばしば地震が検出され、その 1点では他点と異なる特徴を示した。 地震計と同時観測したところ、地震計の水平成分で同じ特徴を示し、地震動に よる揺れの水平成分が微気圧振動に影聾することが明らかになった。また、複 数の地震でこの特徴は示され、その観測点の建物の揺れを含む地盤特性に特有 のものである可能性が示唆された。
地震動,微気圧振動,地盤特性
両端開口管によるトンネル発破低周波音低減装置
Reduction devices using acoustic tubes with both ends open for low frequeency noise during tunnel blasting
宮崎哲也1、石橋知大1、角田晋相2、笠水上光博2
Tetsuya Miyazaki1、Tomohiro Ishibashi1、Shinsuke Tsunoda2、Mitsuhiro Kasamizukami2
1株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング、2株式会社錢高組
1INC Engineering Co.、Ltd、2The Zenitaka Corporation
抄録
山岳トンネルの施工においては、近隣への環境対策として発破に 伴う低周波音の低減が求められる。現場では、発破音対策としてト ンネル坑口に防音扉を設置するが、低周波音を十分に低減すること は難しく課題となっている。一方、近年では共嗚器を利用した低周 波音の低減装置が開発され実用化されてきている。 そこで、音の共嗚現象による低減方法として開管の共嗚に着目し、 両端が開口された音響管による低周波音低減装置を開発した。 本稿では、開発にあたっての各種検討結果、実際のトンネル現場 での適用事例と低周波音の低減効果について報告ずる。
低周波音,共鳴,音響管,山岳トンネル,発破音
低周波音の家屋内への透過に関する数値解析および模型実験
Numerical simulation and scale model experiment of low-frequency sound transmission into house
佐久間哲哉1、井上尚久1、加美梢2
Tetsuya SAKUMA1、Naohisa INOUE1、Kozue KAMI2
1東京大学 大学院新領域創成科学研究科、2大林組
1Graduate School ofFrontier Sciences、The University of Tokyo 、2Obayashi Corporation
抄録
低周波音の家屋内への透過現象は、外壁と窓の組み合わせ、建 物全体構造の振動、室内音場モードとの連成などにより複雑なメカニズムとな るため、実際の家屋の遮音性能や遮音対策の効果は明らかでない。本研究では、 低周波音の家屋内への透過現象の把握を目的として、有限要素法による音聾振 動連成数値解析および 1/4縮尺模型実験を行い、特に外壁厚さ、窓および床下 空間が遮音特性に及ぼす影粋を検討した。数値解析と模型実験の結果では比較 的良い対応が見られ、低周波域において外墜増厚による遮音効果が確認された 他、床下空間が少なからず影薯することが示された。
低周波音,遮音,透過,数値解析,模型実験
超低周波音源の位置推定に関する検討 ─ マイクロホン配置と推定精度についての屋外実験 ─
Study on methods for localization of the infrasound
土肥哲也1、岩永景一郎1、小林知尋1、中島康貴2
Tetsuya Doi1、Keiichiro lwanaga1、Tomohiro Kobayashi1、Yasutaka Nakajima2
1小林理学研究所、2リオン株式会社
1Kobayasi Institute of Physical Research、2RION CO.、LTD.
抄録
超低周波音源の位閥を推定するためのマイクロホン配閥につい て検討した。従来法としては 3つのマイクを 3角形状に配置するアレイや、マ イクを線状に並べるラインアレイなどが知られているが、本研究では音源が存 在する領域を囲うようにマイクを配置する方法を提案し、数値シミュレーショ ンと屋外実験により推定精度や有用性を検討した。音源位置の推定には遅延和 (Delay and Sum) 法を用いた。マイク間隔と波長の関係で生じる空間的折り返 し現象に対して、音源をマイクで囲う配置の効果や、超低周波音の無指向性を 利用した振幅情報を用いる手法により、従来法よりも少ないマイク数で音源位 置を特定できる可能性を示した。
低周波音,超低周波音,マイクロホンアレイ,位置推定,音源同定
超低周波音を対象にしたアクティブ制御システムの試作 一模擬家屋における窓振動と室内音の制御一
Development of an active control system for infrasound -Control of window vibration and indoor sound at the test building
長田巧我1、吉本定伸1、岩永景一郎2、土肥哲也2
Koga NAGATA1、Sadanobu YOSHIMOTO1、Keiichiro IWANAGA2 Tetsuya DOI 2
1東京工業高等専門学校、2小林理学研究所
1National Institute ofTechnology、Tokyo College 、2Kobayasi Institute of Phisical Research
抄録
アクティブ制御における窓振動と室内透過音の低減効果を評価 するため、引違い掃出窓を設置した模擬家屋を用いて調査を行った.模擬家屋 の窓の振動加速度を制御対象とした結果、10Hzの純音に対し窓振動および室 内音が最大 20dB低減された.しかし 20Hzの純音では左右の障子が逆位相で 振動し室内音の低減効果の劣化が確認された.そこで左右の障子を同時に制御 する方法で室内音の低減を試みた.その結果、片方の障子のみを制御する場合 に比べ室内音の低減効果が 4dB増加した.しかし障子が複雑に振動しており、測定点が一点では障子全体を制御できない場合があった.この場合、制御に用 いる測定点を増やすことで室内音をより低減できる可能性が示唆された.
超低周波音,アクティブ制御